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福山大樹さん
(AFS38期生 スウェーデン 1991年~1992年)
東京大学卒業後、ソニー(株)に入社。6年間の勤務を経て、Webコンサルティング会社ソラソル株式会社を設立。8年後に同業他社に同社を売却後、2014年にインバウンド旅行関連の会社FIKA(スウェーデン語でおやつ)を設立。2016年4月からホステル UNPLAN Kagurazaka (アンプラン カグラザカ)を開業。今後はホステルを全国に展開予定。
デリス・グリーンさん
ホステルUNPLAN神楽坂 コンシェルジュ (AFSセメスター受入生 2009年~2010年 アメリカから岐阜県へ)
アメリカのワシントン州出身。高校卒業後、カナダ・バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学に入学し、アジア研究を専攻した。大学時代、日本語を勉強し続け、2014年に同志社大学に半年間留学。2016年、FIKAに入社し、現在東京のゲストハウスのコンシェルジュとして働いている。

—現在の活動について教えてください

福山さん:2年ほど前にホステルを作るというプロジェクトが発足し、1年ほどかけて設計や準備を進め、今年の4月にUNPLAN Kagurazakaをオープンしました。
私はここの立ち上げ、マネージメント、人の採用、そして全体の運用を取りまとめています。

デリスさん:フロントを担当しています。そこでお客様に旅行の説明をしたり、お薦めの場所やお店を紹介しています。
その他に様々なイベントの企画も行っています。今コーディネートしているのは、「興味のある言語」もしくは「勉強したい言語」でその国の人と一緒に会話を楽しむラングエッジ エクスチェンジというイベントです。飲み物を1杯頼めば誰でも無料で参加できます。

—ホステル立ち上げのきっかけは何ですか

福山さんスウェーデンに1年留学をしていたということもあり、海外の人と交流するのが好きで、バックパッカーとしても50か国くらい旅をしました。AFSでの留学も含め、各地で色々な人のお世話になり、楽しい経験をたくさんすることができたので、いつかは日本に来る外国人の人たちに同じように楽しい経験をしてほしい、という思いがずっとありました。
そして、今回東京オリンピックが決まったということもあり、ホステルを立ち上げることにしたのです。ホテルではなく、ホステルにしたのはホステルの方がお客様との距離が近く、より交流ができるからです。ホステルでは従業員とお客さんが仲良くなって、一緒に観光に行ったり、飲みに行ったりすることもあります。そういう交流を通じて、よりお客様の旅行のサポートができるのではないかと思いました。

現在の仕事について-立ち上げのきっかけ(動画)

— なぜお二人は一緒に働くことになったのですか。

デリスさん:高校の時は半年間の短いプログラムでしたので、大学でもう一度半年間日本に留学しました。その時にますます日本が大好きになり、日本に住んで仕事をしたいと考えるようになりました。
この仕事は福山さんの大学時代の後輩で共通の友達を介して紹介してもらいました。

—お互いにAFS生であると聞いて印象はどうでしたか

福山さん:AFS生というところで絆を感じます。また、AFSで留学したということは色々な苦労を経て、そこに適応してきたわけですから、芯のところで強いだろうと思いました。そして考え方も柔軟でサバイバル能力もあると思いました。

デリスさん:私も全く同じように感じました。そして、初めての会話がまず「私もAFS生でした!」から始まりました(笑)

お互いがAFS生であると聞いた時の印象(動画)

—なぜ高校で留学しようと思ったのですか

福山さん:中高一貫の男子校に行っていたのですが、中学・高校と6年間同じところで同じ仲間ですよね。
また進学校だったので、そのまま難関大学を目指して受験勉強をするという流れがあって。自分が何をしたいのか分からないままその流れに乗って大学へ行くということがなんとなくしっくりこなかったんですね。
もともと中学3年の時にアメリカで1か月間、ホームステイをしたのですが、その経験もあって、このまま将来何がしたいのか、どういう人間になりたいのかもわからずいるよりは一回自分を違う環境に置いて、どっぷり異文化体験をしたいと思ったのが、きっかけです。

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—留学先をスウェーデン、日本に選んだ理由を教えてください

福山さん:実はもともとアメリカに行きたかったのですが、当時AFSの選考は行き先が選べませんでした。私はアメリカ、カナダ、オーストラリア、と全部英語圏で希望を出しましたが、面接を受けて終わったらスウェーデンに行ってくれと言われて。
始めはかなり躊躇しましたが、最終的には行ってよかったと思います。アメリカは自分で行く機会、知る機会を作ろうと思えば作れますが、スウェーデンは違います。身近にスウェーデン人もいなかったですし、この国はこういう国だろう、この国はこういう人だろうという先入観がなかったため、全く未知の世界で、全てが新鮮でした。

デリスさん:私はもともと日本が好きで、日本の音楽とかテレビも好きで日本語を勉強したいと思っていました。
ある年参加した日本語キャンプから送られてきたAFSのホストファミリー募集のDMがきっかけで、1年間日本の女の子を私の家で受け入れました。その女の子は私より2つ年上でしたが、双子の姉妹みたいにとても仲良くなり、彼女が帰った時はすごく寂しかったです。
また、ドラマで見ていた日本の高校生に対しての憧れもあって、次は私が留学したいと両親に言ったのですが、その時の私の成績があまりよくなかったので、両親からは成績を全部あげたらいいよと言われ、頑張って勉強しました。

—留学中に一番驚いたことは何ですか

福山さん:人生観です。日本の高校生とスウェーデンの高校生とでは、高校時代に考えていることが全く違いました。
多くの日本の高校生にとっては大学受験が頭の中で大きなウエイトを占めていると思います。特に東京の高校生となると進学率も高く、高校卒業したらまず海外を一年間放浪するなんて誰も言わないですよね。
日本にいるといい大学に行かなくては、という世間や家族からのプレッシャーがありますが、スウェーデンにはそういうプレッシャーが全くなかったのも驚きでした。
スウェーデンでは多くの生徒が高校を卒業してすぐに大学には行かず、1年ほど旅をしたり、アルバイトをしたりします。日本ですとこのような選択肢を選ぶということは、ある意味、異端児で、親に迷惑をかけてしまっているという感覚になりますよね。でも、そういう考え方も間違いではないのだと思えたのがスウェーデンに行って一番よかったことです。

デリスさん:驚いたことはたくさんあります。高校生活がアメリカと全く違い、厳しいです。
初めての登校日が風紀検査だったようなのですが、日本語も全く分からないですし、何がおきているのか状況がわかりませんでした。先生が一人ずつチェックし、そして私の番がきて、「髪の毛を結びなさい」、「爪も長すぎます」、借りていた制服から膝が少し見えていたので「制服が2センチ短いので新しいものを借りてください」と言われてすごく驚きました。
また、アメリカでは学校の廊下ですれ違っても知らない先生ですと挨拶はしませんが、日本だと先生には必ず挨拶をしてください、と言われました。日本人が挨拶を大切にしていることがよくわかりました。

留学中一番驚いたこと(動画)
福山さん

デリスさん

—AFSを通じて留学してよかったと思う点を教えてください

福山さん:AFSがボランティアで成り立っているというところです。関わっている人全てが異文化交流を目的としているので、私たちに色々と興味を持ってくれますし、サポートする気持ちも温かいと思います。
もう一つのよい点は、他の国からの留学生とも知り合えるということです。スウェーデンには当時120名ほどのAFS生が派遣されていて、彼らと1年で2回くらい開催された合宿で交流することができました。これもAFSならではだと思います。

デリスさん:AFSで留学することのよいところは、一人で行って一人で頑張るところです。
例えば私が在籍していたカナダの大学には毎年日本から100人くらい留学生が来ますが、一緒に勉強し、一緒に過ごしているのであまり英語が上達しないまま帰国してしまう。
AFSではだいたい留学生は別々の学校やコミュニティに入るので、一人で頑張らなくてはならないですよね。大変でしたが、その分、日本語が上達したと思います。
もう一点は、私の時代はAFSでも国は選べましたが、国の中でどこに配属されるかは決められなかったという点です。自分で選んでいたら間違いなく東京に行っていましたが、田舎に配属されて。始めは少し残念でしたが、実際行ってみたら人はとても優しいし、すごくよかったです。

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—高校で留学して何を学びましたか

デリスさん:私はずっとシャイな子でした。あんまりしゃべらなくて。留学してこれではいけない、自分から頑張って話をしないと友達ができないと思いました。
また、ホストファミリーとぶつかった時、私は自分がわがままだったのだと知りました。日本に来て自分がアメリカでどれだけ恵まれた生活をしていたのかがよくわかりました。
家のことや身の回りのことも誰かがやってくれると思わないで、自分から手伝わないといけないと思いました。

福山さん:自分は自由に生きたい人間なのだということがわかりました。決まった路線、決まった道を行く人生ではなくて、自分で考えて道を作っていくのが好きなのだということがはっきりとわかり、また、それでいいのだと思えました。
もう一つは物事を決めつけないこと。自分が、これは嫌だ、これは違う、と思ってもそれは自分の感情・価値観であって、それを相手に押し付けるのはよいことではない、ということもわかりました。

デリスさん:私もAFSのサポートボランティアに同じことを言われました。「これは間違っていると思わないで、ただ違うだけと思ってください。」と。

留学で学んだこと(動画)

—留学は、ご自身の生き方に影響しましたか

福山さん:はい。それで2浪しました(笑)。
大学は東大なのですが、はじめは理1を受けようと思っていました。その理1の試験を解いている時にこれは違うと思い、浪人してから文3を受け直しました。その決断ができたのはスウェーデンに留学したおかげです。
大学卒業後もソニーに入社し、6年勤めてから辞める時も躊躇がなかったです。世の中で「いい」と思われている生き方でなくても、自分に合っていればそれでいいと思う気持ちはまだ心の中に生きています。

デリスさん:私はもっと人のことに気を遣うようになりました。

福山さん:すごく気を遣うよね。

デリスさん:はい。きちんと人の表情を見て、その人が何を思っているのか考えるようになりました。そして困っていたら助けようと。

福山さん:そういうところは日本人よりもよく気が付くと思います。日本の感覚をすごく持っている。

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—最後に留学に興味のある高校生へメッセージをお願いします

福山さん:チャンスがあるなら絶対に高校で行った方がいいと思います。
また、異文化体験という意味では、言語も含め、慣れ親しんでない国に行くのはすごくいい経験になります。現地の人や生活に深く入り込むために、現地の言葉を話して、一緒にご飯を食べて一緒に寝て、一緒に生活することができる高校生の交換留学は、寮生活が基本の大学留学とは全然違うと思います。
また、交換留学の一番の目的が勉強ではなく、その国の文化に浸かることというのも特別なのではないかと思います。

デリスさん:100%後悔しないと思います。
ホームシックになることもあるとは思いますが、それをどう乗り越えるかということを自分で考え、解決しなくてはなりません。そういった面でも一年でとても成長すると思います。
そして、留学の思い出は一生忘れません。

UNPLAN Kagurazaka (アンプラン カグラザカ)
東京都新宿区天神町23-1(東京メトロ東西線神楽坂駅 2番出口 徒歩3分)
電話番号:03-6457-5171
客室タイプ:
●男女共用ドミトリールーム(全40床)1泊1ベッド4,500 円
●女性専用ドミトリールーム (全28床)1泊1ベッド4,500 円
●ファミリールーム 1泊1室19,800 円
●ダブルルーム 1泊1室 19,800 円 アメニティ付き

この記事のカテゴリー: インタビュー・座談会 スウェーデン アメリカ

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