AFSでは世界中で4万人のボランティアが活動していますが、国を越えて活動内容を共有したり、より良い活動を目指して意見交換を行うために、ボランティア・エクスチェンジを行うことがあります。
4月11日、日本から8名の代表ボランティアが渡米し、それぞれわかれて各地の支部を訪問した後、カンザスシティに集まり、アメリカの全国ボランティア大会に参加しました。 約1週間の滞在でしたが、同じAFSボランティアとして共感したり、お互いの活動から学んだりと有意義な機会となったことと思います。
以下に、滞在レポートをご紹介します。


日米ボランテティアエクスチェンジに参加して
(AFS札幌支部 正木 優子)

留学生とホストファミリーの初対面時の気持ちが少し分かったデンバー国際空港から、私のこのプログラムはスタートしました。
4月12日千歳空港~羽田空港~成田空港~デンバー国際空港と乗り継ぎ、入国審査を終え、ホストママのClaudia Thomas さんが待つ出口へ向かう気持ちは今まで想像していたよりも、ドキドキしたものでした。毎年千歳空港に到着する生徒たちは更に期待と不安が大きいのでしょうね。(大人の私でも本当に待っていてくれるのかと思うのですから)

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Thomas家はご夫妻と小学生の女の子、プレスクールに通う5歳の男の子の4人家族です。コロラド・ロッキーチーム(日本で言うところの地域のような感じ)では、子どもが小さい時は母親が仕事をせずに子どもの送り迎えなどをし、子どもの手がかからなくなってから仕事に復帰することも多いとClaudiaさんのお話でした。
2泊のThomas家でのホームスティで一番感じたのは「普段のままに」というキイワードです。Claudiaさんご自身がチリから米国へのAFS留学生だったことから、ホストをする際にも何も特別なことをしないで受け入れを実践。
ありのままでと言いながら、日本の場合どうしても受け入れに対し少し特別な「おもてなし」をしてしまいがちです。でも、本当に家族の生活を中心に受け入れるのを身を持って体験しました。

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子どもとご主人の生活を中心に、時間のやりくりをしながらAFSの活動をしているClaudiaさんは翌日大阪からこの地域に配属されている播知明君が通学しているBerthond高校に2時間ほどの運転で連れて行ってくれました。トミーというニックネームで呼ばれている播君は、スポーツを通じて友人も出来、学校生活を楽しんでいるようでした。

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ClaudiaさんがNVA(日本のボランティア大会に当たる)参加のためカンザスシティに木曜日から向かうため、1泊は昨年札幌に滞在したCatherine Ishidaさん宅にお世話になりました。日本人でカナダ国籍のご主人ともうじき5歳になる男の子の3人家族のIshida家ではコロラド・ロッキーチームの皆さんが集まり、歓迎の集いを開いてくれました。自然に恵まれた地域柄なのか、とてもおおらかで温かい皆さんで、AFS活動を愛して、また誇りに思っているように感じられました。同じ志の仲間の存在を強く思いました。翌日Catherineさんと私もNVAに向かうためにデンバー国際空港を後にしました。

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ホームステイとこの地域のチームの皆さんとの話で分かったことは、

  1. 日本と同じようにボランティア精神あふれる地域の人々があってAFS活動が成り立っていること。
  2. ホストファミリー探しは大変であるが、地域のメンバーのネットワークで何とか乗り切っていること。
  3. 地域ボランティアはリターニーの方が中心になっていること。
  4. 生徒の最終選択にはホストファミリーに情報を開示(全てではない)して決定してもらうこともあること。

など日米の共通点・違いなどを実感できました。
この地域では経験豊かなボランティアの方が実に多く、次のメンバーを助けながら育てていくような体制があるようでした。
実際仕事などをリタイアした方の方が時間的な余裕もあり、活動を続けていけるのは日本と同じようです。生涯教育としてのボランティア活動として、日本では支部活動へリタイアした方を誘うのも考えてみてはと思った次第です。
私たちも次の世代へのバトンを上手く渡して行けるようにしっかりと考えていかなければならないと思いました。

カンザスシティでのNVAは第1次世界大メモリアル博物館が直ぐ隣にあるという立地のホテルで4日間に渡り行われていました。
アメリカ全土からボランティアの代表が集まり、テーマに沿って活発な発表・討議が行われていました。アメリカの組織の大きさを考えると参加人数は少なく、地域を代表する人たちが参加して、ボランティアを代表するメンバーを選挙で選ぶことや大会の運営もボランティアが主導してプレゼンなどが行われているような印象を受けました。
到着した金曜の夕方からはその博物館で今年度のボランティア活動の優秀者やチームの表彰が行われ、AFS活動の理念や歴史を再認識できました。この期間AFSの歴史・活動が展示されていましたので、若い私のホストママ二人とレプリカの救急車の前で記念写真を撮りました。

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最後は昨年来日したアメリカのボランティア代表との意見交換がたっぷり1日半ありました。日米双方のプレゼンで相互理解を深めつつ、お互いのプログラムの質を向上させるためにどのようなことが必要かを考える時間がしっかり組まれており、ここで話された内容は今後の活動の上で大いに参考になりました。
ボランティア大会と意見交換については他の方のレポート担当部分ですので、詳細はお任せ致します。多少の言葉の壁はありましたが、相互に顔を見ながら話し合ったことは貴重なことでした。
違いを理解しながら、お互いのプログラムを発展させていこうという試みは大変意義深いものであるので、今後もこのようなボランティアエクスチェンジが継続的になされることを希望します。
最後にこのような経験をできたことを嬉しく思いますし、関わって下さった皆さまに心より感謝申し上げます。本当に最後に素敵な8名の参加メンバーにありがとう・感謝!!

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この記事のカテゴリー: AFS活動レポート ボランティア体験談