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昨夏まで1年間、大分市の大分東明高校に留学し、帰国翌日戻ったことを報告に行った学校帰りにイタリア・プーリア州の列車の正面衝突事故で犠牲になったフランチェスコ・テドーネさんの「思い出の会」が大分中部支部の主催で1月4日に開かれました。
年末年始に息子の留学の軌跡を辿り、ホストファミリーやボランティア、学校関係者への感謝を伝えるために来日したフランチェスコさんの両親と兄姉が来日したのを機に企画され、支部、先生、同級生ら60人余りが駆けつけました。

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父親のヴィンチェンツォさんは「大分に来て息子がいかに愛されて育ててもらったかが分かった。サクラは一番きれいな時に散ると聞きましたが、息子はまさに一番成長して美しい時に散っていったことを日本に来て実感できました」と、同支部の志賀志保子支部長に感謝の額を手渡し、日本協会から記念の盾もテドーネ家にプレゼントされました。

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Tedone家からの記念の盾

会には、ホストファミリーの横野進さん一家や学校のバドミントン部のメンバー全員も参加。ホストマザーの明美さんは「英語が学べるとホストファミリーに応募しましたが、チェスコは最初から日本語しか使わず、何でも吸収したいという意欲がすごく、最初の目論見は果たせませんでしたが、逆にチャレンジ精神という英語よりもっともっと大切なものを息子達に与えてくれました」。
また、バドミントン部顧問の先生は「チェスコは、バドミントンをするのは全く初めてだったのですが、打ち方などこれでもかというほど質問をして上達していった。分からなかったら臆せずに聞き、直してもらう。お蔭で部員の意識が変わりました」。

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大分の会

テドーネ家は、15日間、横野一家の家に滞在し思い出に浸り、ホストスクールを訪ね、彼が好きだった水族館「うみたまご」や高崎山、城島高原などを訪れました。ホストスクール訪問の際に、AFS大分中部支部は記念の盾をバドミントン部へ、そしてプーリア州を紹介する書籍を図書室へ寄贈しました。
また、大分市とフランチェスコさんの故郷コラート市との間の青少年交流を切望していたテドーネ家は来日中に大分市役所で佐藤樹一郎市長と面会を果たし、交流の企画も持ちあがりました。

年明けには東京の日本協会事務所を訪問し、熊本地震から東京への一時避難でお世話になった新井ファミリーにも面会。大分での会に出席したメンバーに加え、東京支部、東京中央支部のボランティア、事故の直前までイタリア・プーリア州に滞在し、帰国後、事故のニュースをイタリア語から日本語に和訳して紹介した帰国生なども同席しました。さらに、本会の通訳として2008年のイタリア帰国生が手を挙げてくれ、それぞれが母語で思い出を語り合うことが叶いました。

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東京の会

AFSイタリアは「フランチェスコ記念奨学金」を設立。イタリアから日本への留学生の奨学金制度が誕生します。
テドーネ家は今夏のホストファミリーに応募、フランチェスコさんの「異文化交流で次世代の夢の可能性を広げる」という遺志が確実に種をまき、芽を出し始めています。

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大分空港、帰国前

▼フランチェスコ記念奨学金


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