AFS年間生として2015年8月から大分市に滞在していたフランチェスコ・テドネくんは、帰国直後の2016年7月12日、イタリア南部の列車衝突事故で犠牲となりました。

AFSイタリアでは、日本との架け橋になるというフランチェスコくんの遺志を継ぐために、将来イタリアから日本に留学する生徒のための奨学金として「フランチェスコ記念奨学金」を創設しました。本奨学金には、日本国内からも多くのご支援をいただきありがとうございました。

今年2017年6月、本奨学金を受けて、ダビデくん(Davide Sgarangella)が、日本語研修プログラム生(LS生)として来日しました。
約1か月間、福岡でホームステイしながら日本語を学び、その間にチェスコくんが滞在していた大分も訪れました。お世話になった両支部からのレポートをご紹介します。

この夏からAFS年間生としてイタリアのテドネ家に滞在予定の藤島さんとご両親が、チェスコのホストファミリー横野家を訪問しました。チェスコが取り持ってくれた縁で話が弾みました。

~福岡支部より~

ダビデはその明るさと、好奇心旺盛で人との交流を楽しめる性格で、クラスの中では場を和ませる重要な役割でした。

二つのホストファミリーにお世話になりましたが、生活面では何も問題なく過ごせました。ただよく道に迷いファミリーをハラハラさせましたが、そこも何かが彼を味方し、たくさんの人に助けられて無事に帰り着いています。
日本語はまだまだ初心者ですが、何かを伝えようと一生懸命に日本語と英語を駆使する姿はとても感心させられました。

大分訪問の日は、バスのスケジュールの都合でクラスを早退する形になりました。事前に伝えていたのですが、仲良くなったクラスメイトが少し不思議そうにしていた時に、ダビデ自身が、イタリアから日本に来た留学生の奨学金で来ていること、この奨学金はとても大切な使命を持っていることを伝えていました。
同プログラム生には他にもイタリア生2名がいたので、深く考えさせられた一瞬でした。

大分から帰って来て、ファミリーにも滞在中の話をしたそうですが、忙しかったけどみんなが本当に歓迎してくれて、びっくりしていたそうです。

修了式のスピーチの一文です。
「私はネットや本だけで知っていた文化や伝統をもつ、とても遠い日本に新しいことを学びに来ました。イタリアととても違う日本が大好きです。ともだち、AFSの先生、ホストファミリーに会いにまた来たいです。みんなのおかげで自分の家にいるみたいでした。」

この体験ができたのはチェスコ奨学金のおかげであると、しっかり刻まれていると思います。


~大分中部支部より~

ダビデとチェスコのホストファミリーだった横野家の皆さん

7/14(金)、ダビデは福岡から夕方大分入りし、チェスコのホストファミリーだった横野家を訪問。寿司・天ぷら・ピザの夕食で歓迎して頂きました。

7/15(土)、朝はホストマザーとホストグランドマザーに見送られて横野家を後にしました。
横野家に一泊したダビデは日本語・英語・イタリア語・ボディランゲージを駆使して横野ファミリーと沢山会話したようです。横野家の人々からは、物腰がチェスコと似ているし、一生懸命会話してくれるいい子でした、益々イタリアが好きになりました、とのお言葉を頂きました。

午前中、チェスコのホストスクールだった東明高校を訪問しました。チェスコが配属されていたクラスに合流し、学期末の大掃除にも参加しました。ダビデは嫌がる事も無くトイレ掃除を進んでやっていました。

チェスコの担任だった佐藤丈代先生から ’Buongiorno’といきなりイタリア語で話かけられ、ダビデはびっくりしていました。佐藤先生は昨年冬にチェスコのお墓参りの為にイタリアを訪問して以来、ずっとイタリア語を勉強されているとのことでした。

チェスコがバドミントンを練習していた体育館にも足を伸ばしました。
ランチタイムからAFSイタリア帰国生の智之君と合流し、高崎山、うみたまご、温泉を一緒に回りました。

24時間にも満たないダビデの1泊2日大分訪問でしたが、チェスコが体感したことと同じ体験を駆け足で辿ることが出来たと思います。
高校卒業後テドネ家訪問を計画しているチェスコのクラスメート達とダビデは連絡先を交換し再会を約束したようです。


8月中旬には、本奨学金を受けてイタリアから年間生が来日し、大分に滞在予定です。


支部へのお問合せ

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