7時にサーラを起こして、夫と3人で朝ごはんを食べて、お弁当を持たせて「行ってらっしゃ~い」という毎朝のパターンがなくなって、ちょっと気抜けしている朝です。きょうからサーラはいないのだなという寂しさと11ヶ月間大きな病気も事故もなくサーラを親御さんの元へお返しできたという安堵感の両方が、今心の中にあります。

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初めて我が家へ来た時の彼女の緊張した面持ちを今でも覚えています。初めての異国で、言葉も分からず、どんな人たちとこれから一緒に住むのだろうという不安は想像してあまりあります。しかし、サーラは我が家の大雑把な‘家風’にすぐに馴染んでくれました。ケラケラと高い声でよく笑う子で「まあ、いいか」という私の口癖をいち早く自分のものにしたこともおかしかったです。

学校でも早くに親しい友達ができて、周りから「学校はどう?」と聞かれたら「めっちゃ楽しい」と答えていました。私と夫はいろいろな市民活動をしていて機会があればサーラを連れて行きましたので、20代から70代までたくさん友達ができました。そんな時、まずサーラに「一緒に行く?」と聞くのですが、たいてい「行く!」と即答するほど好奇心が旺盛でした。こうして私たちの周りにちょっとした国際交流の場をつくってくれました。

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サーラが一緒にいた11ヶ月の間に、我が家では長女の出産と長男の結婚と次女の結婚というビッグイベントが続きました。生まれたばかりの赤ん坊を抱っこしたり東京での結婚式に参列したりしました。サーラは大の子ども好きで、お正月には我が家の孫たちと坊主めくりで大はしゃぎしていたのを思い出します。

サーラの送別会のあとに東京に帰った次女が「空港にこんなのが貼ってあった」と写真で送ってきたAFSのホストファミリー募集のポスターに「家族が増えた一年は笑顔と会話が増えた一年でした」と書いてありました。ほんとうにそうだったと思います。ありがとうサーラ。

2015年にインドネシア留学生サーラさんを受け入れ
Sさんファミリー(大阪)


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