「メイビー」しか言わなかった子が、バリバリの大阪弁になって帰って行きました。

2015年3月、姪っ子が「日本のゲート」となり、妹がお母さんとしてフィンランドからキムがわが家にやってきました。第三者の私は、不思議な光景を微笑ましく見ていましたが・・・それもつかの間・・・気づいたときには「キムワールド」にどっぷり浸かっていました。

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当初は日本語が話せなくて、会話は姪っ子との英語。話に入っていけなくて私たちはいつも「なんて?」「なんて?」って聞いていた様に思います。それでも一言、口に出してからは一生懸命日本語で、私たちに話しかけてくれる様になりました。
元々頭のいい子だったとは思いますが、キムの勉強はすごかったです。わからないことは何度も自分が納得するまで聞いてきました。逆に自分の知っていること、興味のあること、そしてフィンランドの事、いっぱい話して聞かせてくれました。
フィンランド人は無口・・・ではなく本当は話が好きでもてなしの心を持っている・・・まさしくキムはそんな男の子でした。

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10か月の暮らしの中でいろんな壁にぶつかり、悩み、諦めかけ、私たちももうダメかと思った時期もありましたが、AFSスタッフの方は何度も足を運び話を聞いて下さいました。そして「思いっきりハグしてあげて下さい」そう教えて頂きました。
「エッ!?ハグしてエエのー?」
待っていたかの様にその日からハグ攻めの毎日でした(笑)
やっぱり不安だったんでしょうね。「たった一人で遠い所から私たちに会いに来てくれて有難う。もう一人じゃないよ。」そう思いながら抱きしめた私たちの気持ちを、キムはわかってくれたと確信しています。

キム語録に「運転の幸せ」「食べる幸せ」「生きている事の幸せ」「農作物を有難う」「風が踊っている」「自然のにおいがする」「空気がおいしい。食べてみて」etc・・・・
森と湖の街で、そんな風に感じて生きて来たんだと思いました。そして私たちには当たり前の事だけどとても大事な事を思い出させてくれました。

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当初、日本は素晴らしい国だといってくれたキム。日本で暮らしてみてどうやった?あまりにも絶賛してくれてたから聞くのが怖いけど。
いい事も、悪い事も、日本に来たからこそ分かる事。自分自身で感じ取って、今後の人生に役立ててくれると信じています。

キムとはケンカしたこともありました。踊ったり、歌ったり、叫んだり、ふざけたり、そして泣いたり・・・今も思い出しては、笑ったり涙ぐんだり・・・そしていろんなキムを見せてくれた事を嬉しく思っています。

そんなキムとの出会いに、一緒に過ごした日々に、関わって頂いたすべての人に感謝・・・感謝・・・素晴らしい経験が出来た事に・・・感謝の気持ちで一杯です。

キムへ・・・1年前と確かに違う事・・・私たちはFamillyになったこと。忘れないでね。

2015年にフィンランド留学生キムくんを受け入れ
Hさんファミリー(大阪)


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