私が留学しようと思った理由は、優柔不断な自分を変えたいという漠然としたものでした。異文化に触れることで世界観を広げられたら考え方の選択肢が増やせると思ったのです。

私は夏休みの一カ月間をカナダのアルバータ州にあるレッドディアーという場所で過ごしました。自然に囲まれたのどかな印象のところでした。
ホストファミリーは6人家族で、毎日賑やかな家庭でした。親戚が集まってバーベキューをしたことがあり、家族の多さと繋がりの深さに驚きました。一人っ子の私には新鮮で、またホームステイのおかげでカナダ人の生活を肌で感じられました。
私が15年間普通だと思ってしてきた生活とは別の生活があり、一緒に過ごすうちに世界観も広がる、そんな留学体験となりました。

sp_story_can10-1

空港に着き現地のボランティアの方々にお会いした時はこれからそこで始まる一カ月間に思いを馳せ、期待に胸を膨らませていました。
しかし、ホストファミリーの家に着き、ここでやっと英語しか通じなく生活環境も異なる場所に来てしまったと気づかされました。
初めは食事が合わず(次第に慣れて、帰る頃には同い年のホストブラザーよりも食べていたので、今まで受け入れてきた50人の子供の中で一番食べると言われるほどでした、、、)、英語も思うように伝えられず、他の国の人と上手くできず、辛い思いをしました。何度も帰りたいと思いました。しかし、変える努力は自分からしなければいけないということに気が付きました。
その間、ホストファザーに相談に乗ってもらったり、ルームメイトのイタリア人の子と話し合ったりしました。それからの日々は英語で話すことを積極的にするようになりました。
今思えば、辛い思いをし、たくさん悩まなかったらこんなにも有意義に過ごすことはできず、ただのいい旅行で終わっていただろうと思います。

sp_story_can10-3

英語の授業は平日教会で行われ、主にカナダの文化を調べたり他の国から来たクラスメイトと、自国の文化の違いについて話し合ったりしました。
ここでは日本の文化をよく知っていることも大切でした。自分の国の文化を説明してみんなに知ってもらえるのは嬉しいことでしたが私の知らないことを聞かれて説明できなかった時の悔しさは今でも忘れません。だから、海外にあこがれを持つだけじゃなくて、今後いつでも説明できるように日本の文化をもっと知っておこうと思いました。
授業では計七か国の様々な国から来たクラスメイトたちとの文化の違いに触れることができました。それぞれの違った文化に戸惑うこともありました。しかし先入観を捨てて認め合うことが大事だと気が付くことができました。
また、違いを発見することも楽しかったです。他の国から来た人にその国の言葉や文化について教えてもらったり、生の声を聞けたりしたのは学校ではできない貴重な体験でした。
教会で授業を受ける以外にもみんなでバスに乗って遠くに出かけることもありました。一泊旅行でロッキー山脈にあるバンフという場所に訪れた時は今までに見たことのない大自然に圧倒されました。自然の多いカナダでだからこそできた、一生忘れることのできない光景です。

sp_story_can10-2

留学の間、自分の意見をしっかり持つこと、またそれをはっきり述べることも学びました。今まで私は周りに合わせることが多く、自分の意見を抑えることがありました。はっきりと言われてしまうことが多く、これでは通用しませんでした。
また知り合った学校の友達と過ごすのと住んできた文化も環境も違った人と過ごすのでは全く違いました。自分のしたいことを伝えられるのは自分だけで、きちんと伝えなければ誰も分かってくれないのです。伝え方が曖昧だとすれ違いを生んでしまうこともあり、英語力に自信がなくて小さな声で話してしまい聞き返されることもありました。しかし、何回もの失敗のおかげで曖昧ではなくてはっきりと話すこと自分の意思を示すことに積極的になれました。

私はこの一カ月の間、留学に行ったからこそできる体験をたくさんし、多くのことを学び、考えの視野を広げられたと思います。多国籍の友達もでき、多文化に触れられてそれが身近に感じられ、まさに世界が広がったように思います。
別れの時にはまた会うことを約束し合い、ルームメイトのだったイタリア人の女の子には家に泊まりにおいでと誘ってもらいました。いつか自分のお金で海外旅行に行けるようになったら、最初に行きたいと思っています。
サッカーをしているドイツ人の女の子は、2020年の東京オリンピックの時に選手として日本に行くから、と言ってくれました。本当に嬉しく、また会えるのを楽しみにしています。
カナダへの予備知識は少しもありませんでしたが、カナダ生活を体験し1カ月間の滞在で心はもうカナダ人です!!

留学には常に自信と向上心、積極性が大切ですが、これがそろったとき、きっとなににも代えられない体験になると思います。今しかできない一番やりたかったこと。これができた私は最高の幸せ者だと思います。

▼短期留学プログラム


この記事のカテゴリー: カナダ 短期留学体験談