私はカナダの最東部のニューファンドランド州の州都であるセントジョンズで、イタリア・ドイツ・ベルギー・ウルムチ・カナダのケベック州、そして日本という6つの国や地域から集まった個性豊かな高校生たちと共に一ヶ月を過ごしました。

平日の語学研修は、会話を中心に学ぶグループと、英語をより深く理解することを目的としたグループに分かれて実施されました。
後者のグループに入り19名中日本人は2名だけという環境で英語を学ぶことになった私は、日本以外の国や地域から参加していた学生たちの積極性を目の当たりにし、日本との教育の違いや彼らの学習に対する意識の高さをまざまざと見せつけられることの連続でした。
日頃から自己主張することに慣れている彼らは、授業中も手を挙げて発言することを物ともせず、生き生きとした姿で意見交換を行っていました。そんな彼らに私も負けまいと必死に発言しようとしましたが、うまくいかず悔しい思いをしたこともありました。

また、平日の午後や週末は、さまざまなアクティビティを通してセントジョンズの歴史や慣習について学ぶ機会を与えていただきました。
見るもの聞くもの全てが新しいことだらけで、私は日々の発見に驚き慌てるばかりでしたが、そんな私とは対照的に、他国からの参加者は異文化を当たり前のように受け入れ、尊重し合っていました。
そんな彼らの姿を見るまで、私は自分が生きてきた世界がどんなにちっぽけであったかに気付けませんでした。それに気付くことができたのも、カナダの短期派遣がカントリーミックスのプログラムだったからこそだと思います。

セントジョンズでの最後の日、ある他国からの参加者が私たち日本人に向けて次のように言ったことを、私は今でも鮮明に覚えています。
「君たちは周りの人にもっと積極的に話しかけるべきだよ。君たちは話をするとき、何かを恐れているように見えるけど、僕はちゃんと君たちの話を聞いているからね。」その発言を耳にした時、自分の殻を破りたいという一心でがむしゃらに一ヶ月を過ごしてきたけれど、私はほんの小さな一歩を踏み出したに過ぎなかったのだと感じました。

日本に戻った今、セントジョンズでの一ヶ月間を振り返ると、小さな後悔がたくさんあるように思います。
今回の短期派遣で踏み出したほんの小さな一歩とたくさんの小さな後悔を、次なる成長への大きな一歩に繋げていけるよう、これから頑張りたいと思っています。

-田中千王

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