インドでは、他の国では味わえないような経験が出来た。

まず、インドに来て最初に思ったことは、動物があまりにも多いことだ。コーラをこぼしたらハエの集団がすぐに寄ってきたのはともかく、街には牛、野良犬、馬、サル、リス、インコ…などたくさんの動物がいた。自然と共存しているように感じた。

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ホストスクールは私立のインターナショナルスクールで幼稚園から高校まで一緒だ。ホストブリングスも含めて、朝7時50分から午後1時50分まで(間食はあるが昼食は家)あった。そこではプレゼンテーションや発表会が活発で、私たち留学生も時々参加した。
少なくともそのホストスクールでは、時間の余裕がかなりあるが、先生や保護者からのプレッシャーがきつい。”Talent Show”後の校長先生の話で「鉛筆なしでは、学校はないのだ」とおっしゃったり、ホストファザーが6歳のホストシスターに「君は明日のテストのために準備をすべきだ」と説教したりと、自分の家庭ではありえないことがよくあった。なんだかんだ制約の多い学校に思われたが、さすが従順だといわれているインド人らしく現地の在校生は目上の人を慕っているのがすごかった。
勉強の話と言えばまずはとにかく数学で、テキストは3冊ぐらい持っていた。近所の人(高校3年生に相当するだろう)に教科書を見せてもらったら、大学教養課程レベルじゃないかと思われた。教科書の文章の暗唱テストがよくあるみたいで、歴史や数学もあるらしい。

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ここまでだらだらとインドの特徴を書いたが、これからインドから学んだこと、そこから見習いたいことなどをいくつか述よう。

第一に、インド人はよくも悪くもルーズだ。日本よりずっと汚く、ベッドや床の上に食べ物が落ちていても気にしない、チョコドーナツを触った直後の手で他人のほっぺをいじるなどなどゾッとすることがたくさんあったが、おかげで少したくましくなった。
衛生面だけでなく、考え方もいい意味でテキトーさがある。「明日までに準備して生徒の前でプレゼンテーション(ソフトを使って)してください」と突拍子もなく言われたときはすごくムカついたが、その無責任でテキトーなところこそが逆に今の時代大切な「柔軟性」を育んでいるのかもしれないと悔し紛れに感じた。

次に、日本でもインドでも金持ちは金持ちの世界しか見えないということだ。移動中に乞食の人々やビニールシートを屋根にしているような家が少なくなかったのに、インド人でも平気に食べ物を残すどころか、乞食のマネを軽蔑的にしていたりして残念だった。今の、自分の立場でしか物事を見れない傾向はあらゆる人に共通しているみたいだ。

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第三に、インド人は愛国心があるということだ。独立記念日(8月15日)の少し前くらいから祝っていて、ホストスクールでも行事があった。その時はインドの国旗ばかりをみかけ、国旗のカラーのバンドをしていたり、ほっぺにインド国旗を描かれている人が結構たくさんいた。そうでなくてもサリーやカレーは顕在していて、自国を愛しているなという印象だった。しかし、海外の曲や番組、文化、企業などはむしろ日本より入ってきているように思われた。「愛国心」という言葉は決して好きじゃないが、自分の国が好きだからこそ他の国のことが好きになれるのではないかとふと思った。日本に閉塞感があるのはそこから来ているのかもしれない。

最後に、心の余裕、特に時間の余裕があるところだ。前述したように、インドでは授業時間が短く休みが多い割りには、みんな真面目に頑張っていて結果的に国全体で伸びてきている。自由で名高かったはずの都立校ですら土曜授業をしている今のピリピリしている日本とは大違いだ。働いている人はどうか分からないが、精神的なゆとりは大切だと思い知らされた。

ホストファミリーがかなりのお金持ちだったため、インドの全てを見切れたとは到底言えない。それでも、インドに行かない限り気がつかないことを本当にたくさん発見できた。読者の皆さんが留学する時もかけがえのない経験が得られるのはまちがいないだろう!

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