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1月10日。ドイツでの留学生活4ヵ月目になりました。毎日がとても早く過ぎていき、時間の大切さを改めて実感させられます。プレースメントが決まったのが出発間近の8月下旬。ハンブルグという大きな街にステイすることになり、私は期待で胸一杯でした。旭川空港や千歳空港で悲しいという気持ちになることもありませんでした。

ドイツに到着してユースホステルに一泊し、ハンブルクに向かう朝。ずっと一緒に行動していた日本人の友だちとのお別れのときに、初めて寂しさと留学生活のスタートを感じました。
ハンブルク駅に着いてホストファミリーとの初めて対面したときの感動は未だに忘れられません。温かく力強いハグを受けました。私の新しい家族は両親と娘3人の5人家族。一人っ子の私にはこれからどんな生活が待っているのか楽しみで仕方ありませんでした。

ハンブルクに来て1ヵ月目。目に見えるものが全て輝いて見えました。こんな体験、気持ちは二度と味わえないと思います。何もかもが新鮮で楽しかったです。この時点では家族との会話は全て英語で行われました。到着してすぐ行われたAFSのキャンプも英語で、英語の大切さと自分の理解能力のなさを痛感させられました。学校に通い始めましたが、ドイツ語は殆ど理解できませんでした。それでも新しい友達もでき、毎日がすごく楽しかったです。

2ヵ月目。一人で地下鉄に乗って買い物に行ったり、散歩したりして、新しいものを探すようになりました。日記を付け、自分の行いを振り返ることを始めたのもこの頃です。家族との会話は8~9割が英語。学校の授業もついていけない。それでもドイツ語学校に通い始め、生きたドイツ語にたくさん触れるなどして耳を慣らしていくと、ほんの少しずつですが単語が聞き取れるようになっていきました。

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クリスマスに友達の家でクッキーを作りました 

3ヵ月目。12月のクリスマス市に感動して、何度も足を運びました。この頃にはだいぶ留学生活にも慣れ、相手が何を言いたいのか何となく理解できるようになり、「留学しているんだ」という実感がじわじわと出てきました。1ヵ月目、2ヵ月目と、言葉が理解できない、自分のことに精一杯で心に余裕がないうえ、これといった困難を体験していなかった私は、留学というものを上手く捉えられていなかったのです。心に少し余裕ができ、周りを見つめられるようになった3ヵ月目は、私にとって本当の留学生活の始まりでした。そして留学生が一度は体験するという「病み期」がやってきたのです。今まで家族に対して抱いていた小さな疑問が積み重なり、大きな不満になってのしかかってきたような思いでした。たくさん悩み、留学して初めて苦しさを感じました。言葉の壁は辞書で乗り越えましたが、家族との問題解決はとても難しく、最終的にはファミリーチェンジをするという方向で話が落ち着き、今に至ります。

ドイツの生活で驚いたことは、学校の授業風景が日本とかけ離れているところです。発表や発言を中心とした授業が大半で、生徒は自分の意見を述べ、また他の生徒がそれについて言及し…とにかく生徒がよく発言します。それから、机に座って授業を受けることもありました。他にも、私のファミリーがユダヤ教徒ということもあり、金曜日の日没から土曜日の日没まで働いてはいけないという掟があることや、クリスマスではなくハヌカーと呼ばれるお祭りを行うなど、たくさんの貴重な体験と驚きを感じました。特にクリスマスは一番思い出に残っています。ハヌカーは昨年12月20日から始まりました。毎日1本ずつ蝋燭に火を灯し、特別な歌を歌い、特別なお菓子を食べます。これが8日間続きます。そして24日は友達の家に招待され、教会にも連れていってもらいました。25日はホストグランドファザーとマザーの住むハンブルグ郊外のお宅でパーティーを開き、私はホストマザーとシスターと一緒にヴァイオリンを演奏しました。一度にこんなにも素敵なクリスマスを過ごせたこと、宗教の違いを肌で感じられたこと、絶対に忘れられません。

3ヵ月を乗り越え、4ヵ月が過ぎた今、日本にいたときよりは自分自身が少しは成長したかな、と感じています。ドイツ語はもちろんですが、今まで親に頼りきっていた面が改善され、行動力やお金の使い方、時間の使い方、そして自分を見つめ直す力がついたと思います。今は毎日の日記で気づいた自分自身のだめな部分を直すように努力しています。それから感謝の気持ちをいつも忘れないこと。日本にいた頃は忘れがちでした。最後に自分の意見をしっかりと述べること。これが今一番の課題でもあります。日本にいた頃は自分の意見を口にすることが苦手で、いつも友達の影に隠れていました。「そんなんじゃダメだ」と心では分かっていても、言葉の壁もありなかなか上手くいきません。残りの6ヵ月でこれを何とか克服していきたいです。6ヵ月後に胸を張って北海道に帰ることができるように、しっかりと前へ向かって歩んでいきたいと思います。

2012年1月 ドイツより
AFS58期生/どさんこ奨学生 岡田杜音

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