私がコスタリカに来て早4ヵ月が経ちました。この4ヵ月で学べたこと、それはコミュニケーションの基礎の基礎だと感じています。一つは表情の大切さ、もう一つは質問力です。

言葉が全く分からなかった最初の頃は相手の表情が頼りでした。相手の表情を必死で読み取り、何が言いたいのかを理解していました。そのため、日本にいた頃は絶対に気が付かなかったであろう些細な表情の変化にまで気が付くようになっていました。そして相手が一瞬みせた表情に喜び、落ち込み(大抵は落ち込んでいましたが)。
恐らく日本語で会話をする時も、私が思っていた以上に表情は影響を与えているのでしょう。コスタリカでも、日本に戻ってからも、せめて自分だけは笑顔を忘れずにいよう。そう心がけるようになりました。

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そして質問力。これは未だに私にとって大きな問題ですが、特に初めの頃はなかなか自分から友達に話しかけることができませんでした。言葉の壁というのもありますが、どんなに間違ったスペイン語でもとにかく話しかければ会話が始まるのに、そもそも何を話せばいいのかさえ全く思いつかないのです。
それに対し、コスタリカ人は質問が大好き。日本の様な「質問をすることは恥ずかしい」といった感覚は彼らには全くありません。授業中でも日常でも自分が納得するまで質問し続けます。一体どうすればこんな疑問が湧いてくるのだろうと思うこともよくあります。そんな友達に囲まれ、自分の質問力の無さを痛感する毎日です。
帰国までに「コスタリカ人の質問力」を身につける。今の私の目標の一つです。

4ヵ月が経ち、コスタリカの生活にようやく慣れてきましたが、初めの頃は驚きの毎日でした。
まずコスタリカ人の時間感覚。これには怒りを超えて呆れて笑ってしまいます。家族が「あと15分で着くから」と言えば、大抵の場合1時間は待たなくてはいけません。あと20分と言われ2時間以上待ったことさえありました。
学校は、先生がいないからと授業が無くなったり、一日休みになったり。生徒が先生にお願いして授業を無くしてしまうことさえあります。また、授業中先生も生徒もお菓子を食べていますし、雑談で「あれ?結局授業をしなかった?」ということもしばしばです。

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そして、コスタリカの自然は未だに感動の連続です。私が住むプリスカルは首都サンホセから車で1時間ほどの小さな町ですが、標高が高いため、来る前に私が想像していた「暑いコスタリカ」ではなく、朝晩は長袖が必要なほど冷え込みます。それでも家々の庭にはマンゴーやバナナ、アボカドの木が生え、学校の中庭を毎日の様にハチドリが飛び交う、北海道とは全く異なる南国の風景が広がっています。
また、一度ホストファミリーが海に連れて行ってくれたのですが、澄んだ海の色、浜辺には今にも恐竜が出てきそうな南国の森が広がり、赤く大きなコンゴウインコが空を悠々と飛ぶ、その景色には本当に感動しました。

幸いなことに、良いホストファミリー、同級生に恵まれ、予想以上に順調に進んでいる私の留学生活ですが、いつ本当に辛い時期が来るのだろう、いつホストファミリーと上手くいかなくなるだろうと不安はいつも絶えません。あと6ヵ月、今の私にはまだまだとてつもなく長い期間のように感じられますが、きっとあっという間に過ぎていくのでしょう。
6ヵ月後、日本の皆さんに少しでも成長した姿を見ていただけるよう、これまで以上に感謝の気持ちや謙虚な心を忘れずに、一瞬一瞬を大切にして残りの留学生活を送っていきたいと思います。

2012年7月 コスタリカより
AFS59期生/AFSどさんこ奨学生 古里奈穂子

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