3月23日、私は7人の仲間と共にアルゼンチンへ向けて日本を出発しました。不安や悩みはなく、期待と喜びを胸に持って、たくさんの人々に尾道駅で見送られました。その時私はこれだけの人に大切にされていて、私がいない1年を惜しんでくれる人がいることを実感しました。自分は出会う人々に恵まれていて、その人全員に感謝したいと強く思ったのを今でも覚えています。
まだ留学生活は始まっていなかったけど、こんなにも感謝することの大切さを知れたのは留学のすばらしさだと思います。

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アルゼンチンのブエノスアイレス(首都)に到着して、4日間のオリエンテーションが行われました。アルゼンチンへ留学する様々な国の子達が集まり、英語でコミュニケーションをとりました。その時感じた英語の大切さ。他の国の子達が英語で楽しく会話している中、日本人だけが孤独に感じられました。

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ホストファミリーと初めて出会えた1日目。強くしっかりと抱きしめ、ほっぺに軽くキスをしてくれました。私の家族は両親、13歳、11歳の弟と、8歳の妹の5人家族で、日本で末っ子だった私には初めての経験でした。
すごく仲の良い家族で、日々の愛情表現はかかせません。例えば、朝起きて、学校から帰って、寝る前、家から出るとき、感謝するとき、どんなときでもあいさつの言葉と共にほっぺに軽くキスをします。これはこの家族だけでなく、アルゼンチンならではの文化です。
そして土曜日、日曜日、祝日を大切に過ごします。家族と食べに出かけたり、家でゆっくりアサード(アルゼンチン風の焼肉)をして食べたり、家族と過ごす時間が、恋人や友人と過ごす時間よりも長いです。「ありがとう」の言葉も言わずに日本を出た私には驚きでした。ここから学んだ家族の大切さ、帰ってからも家族への感謝を忘れないでしょう。

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アルゼンチンに来て3週間が経った頃、初めて学校に通いました。ここの学校は小学校7年、中学校5年(または6年)で、高校がありません。16歳の私は中学校4年の公立学校に派遣されました。この学校は1日中授業がある日本と違い、朝か昼かを選択できます。1授業40分、各授業にはさまれる休憩が10分で、遅い時は6時半に帰宅します。
でも時々、先生が学校に来なくて丸1日授業がなかったり、2時間授業を受けて終了だったりと、帰宅する時刻がばらばらです。低レベルに感じられますが、アルゼンチンの生徒は自分の意見をしっかり述べ、学ぶことを嫌がりません。何事にも興味関心があり、人なつっこいアルゼンチン人、ゆっくりとのんびり流れるアルゼンチンの時間。自分たちのペースを大切にするアルゼンチンが素敵だと思いました。
帰国まであと半年、しっかりとアルゼンチンの文化を体に吸収し、将来に役立つ語学力を身に付けて帰国したいと思います。

2012年7月 アルゼンチン派遣
AFS59期生/公益財団法人設立記念奨学生 城本菜央


※公益財団法人設立記念奨学金

2011 年1月4日に公益財団法人AFS日本協会が設立されたことを記念して出来た奨学金です。日本の高校生交換留学プログラムの派遣先国としてはAFSが最大のネットワークをもつ中南米諸国への留学を希望する若者を支援し、将来国際的に活躍する人材を育成することと、青少年の国際相互理解と国際友好を促進することを目的としています。AFS59期生1名に支給されました。


▼帰国後のレポート「アルゼンチンならではの愛情」

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