私がインドネシアから帰ってからはや1ヵ月近くになりました。しかし、インドネシアでの長かった生活によって変わったものは大きく、まだ時々戸惑うことがあります。このレポートを書くにあたっても、中々気持ちの整理がつかず何を書いてよいか迷うばかり。インドネシアでの10ヵ月は“思い出”ではなく、“今の私の一部”になりました。

前回のレポートに“毎日が充実している”ということを書きましたが、それは留学生活の後半でも同じでした。ただ違ったのは毎日が落ち着いていたこと。始めの頃の新しいものを楽しむという姿勢ではなく、日常のふとしたことに充実を感じ、慣れた生活の中で生きていく。それは、留学生活の中でとても大切な事のように思えます。
日本にいた頃は徒に日々を過ごすことも多かったのですが、インドネシアではその生活に慣れた後も1日1日を大切に過ごしていました。それでも、帰る直前になると、あれもこれもやっておけばよかったと後悔したりも。日本に帰ってからしばらくは、慣れ親しんだはずの日々に戸惑うばかりで無駄に1日を送ってしまうこともありましたが、今はまた1日を大切に過ごすよう心がけるようになりました。

帰国直前は、例の如く大忙しでした。お土産を探したり、クラスメイト全員を家に招待してわいわい騒いだり、AFSのFarewell Partyがあったり。
荷物の整理も何日もかかりました。日本から持ってきたもの、インドネシアで揃えたもの、ホストファミリーや友達にもらったもの等、ひとつひとつに思い入れがあり作業の手を止めてしまうこともしばしばありました。ホストファミリーの人にも手伝ってもらい、より一層名残が惜しくなってしまったり、最終オリエンテーションの為にジョグジャ(ジョグジャカルタ)を離れる日には、来たときよりカバンがひとつ増えていました(既に航空便、船便で送った荷物も多かったのに)。

ジョグジャから首都のジャカルタへは夜行列車に乗っていきます。夜の8時頃だったにもかかわらず、ホストファミリーだけでなく、友達まで見送りに来てくれました。
そして予想外のサプライズも…。クラスメイト全員の写真と寄せ書きをした手作りの色紙、思い出の写真のプレートやCD、更にはおもちゃまでいろいろなものを私の為に用意してくれていたのです。結局、笑顔でわかれるつもりが半泣きでしかも電車の中でもずっと泣いていることに。
ただ、ふと泣き止んでみて思えば、例えそんなサプライズなど無くてもやっぱり泣かずにはいられなかった筈です。“無くなってみて初めてその有り難さに気づくもの”といいますが、インドネシアとそこの人々はそれほどまでに私にとって当たり前の存在になっていました。
文化や言語が違い、お互いを分かり合うことが大変だったとしても、インドネシアで出会った人々は皆私にとってかけがえのない存在になりました。これからの人生のうちまた会う機会がどれほどあるかは分かりません。それでも一生その絆が途絶えることはないと思うのです。

最後に、そんなかけがえのない出会いの機会をつくってくださったAFSとかめのり財団の方々に感謝をのべて、レポートも終わりにしたいと思います。この留学は私の最高の経験になりました。本当にありがとうございました。

2012年7月 インドネシア派遣
AFS58期生/(公財)かめのり財団奨学生 西野真奈

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