アルゼンチンへ向けて日本を出発してから、早いもので一年が経とうとしています。 夢と期待を持って出発をしたことが、まるで昨日のようです。ただ時間の流れの速さに驚いています。
この短い一年の間に素敵な人々に出会い、一生忘れられない経験をさせて頂きました。家族の大切さ、人々への感謝の気持ちをアルゼンチンの友達、家族から学びました。そして、一年たった今、一年前より少し成長できたかなと感じています。

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友達と旅行。アンデス山脈を走る「雲列車」に乗って

ホストファミリーは、私にアルゼンチンならではの方法で、たくさんの愛情をくれました。地球の裏側から来た私に本当の娘のように接してくれました。ホストマザーとアルゼンチン料理を作ったり、家族と旅行へ行ったりもしました。もちろん、時にはひどく怒られ、兄弟げんかも何度かしました(日本では末っ子の私はアルゼンチンでは長女でした)。
ホストファーザーが私に、日本へ帰る前に言ってくれた言葉がとても印象に残り、今でも忘れられません。その言葉とは、「Naoはこの一年間を無駄にはしてないよ。日本の友達との時間、日本の勉強には少し遅れたかもしれない。でもそれ以上に大切な事をNaoは学んだんだよ。いつでも帰ってきなさい。私たちはあなたの家族だからね」と。この言葉は日本に帰る私に勇気と自信を持たせてくれました。

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おばあちゃんと。アルゼンチンの料理をたくさん習いました

私の最初の友達は学校のクラスメイトでした。その子達はまだスペイン語が話せなかった私に、公園へマテ茶(アルゼンチンのお茶)を飲みに行こう!と誘ってくれたり、川へ泳ぎに行ったり、一緒にアイスを食べたりと、いろんな場所に連れて行ってくれました。
友達の家へ行くと、必ず家族全員に私を紹介します。「聞いて!この子日本から来たんだって!Naoっていうんだよ」と。何か心配な事があると‘‘no te preocupes‘‘(心配しないで)と強く抱きしめてくれました。そんな優しくて人懐っこい友達が大好きでした。

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イグアスの滝。壮大な光景に言葉が出ませんでした

帰国する日、たくさんの友人が見送りに来てくれました。アルゼンチンは遠い国です。なかなか会えないことはわかっていましたが、いつものように「じゃあまたね!」と笑顔で別れの言葉を言い残し、家族・友達の元を離れました。その時は照れくさい気持ちや、寂しい気持ちなど、たくさんの気持ちが混ざって複雑でした。

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大好きなパタゴニアの夕焼け。これを見ると悩んでいる事が吹き飛んでしまいました

留学は、単に語学やその国の文化を学ぶためだけの制度ではありません。正直なところ、私は言語習得の面では自分に充分な評価はできません。ですが、誰よりも良い経験をして、大切な事をたくさん学んだと思います。
辛かった思い出も楽しかった思い出も、全てひっくるめて私のすばらしい留学期間中の思い出となりました。
それは、私ひとりだけの力ではありません。アルゼンチンで私を一生懸命サポートしてくれたアルゼンチンのAFSスタッフ、家族や友達のおかげだと思います。そして今回、留学というチャンスを与えてくれた、日本のAFSをはじめ、ボランティアの方々、先生、両親、私を応援してくれた友人に心から感謝したいです。 ありがとうございました。

2013年1月 アルゼンチン派遣
AFS59期生/公益財団法人設立記念奨学生 城本菜央


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