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振り返ってみると、長いようで短かった10ヵ月だった。2月に期待や興奮、そして緊張感を持って日本を出発したあの日をまだ覚えている。

オーストラリアに着き、ホストファミリーと会った時、自分の英語力が低いことを実感してしまった。緊張のせいもあったかもしれないが、英語が頭の中にぜんぜん浮かんでこず、自分の言いたいことを伝えられなかった。それでもホストファミリーは僕の言いたいことをしっかり聞いてくれた。
ホストファミリーは僕と会話することで、僕の英語力を伸ばそうとしてくれたのだなと思う。ホストファミリーは僕が好きなことをたくさんしてくれたと思う。キャンプや動物園、水族館に行ったのはいい思い出になっている。特に長年の夢だったコアラを抱くことができ、イルカと触れ合うことができたのは本当にうれしかった。ホストファミリーがいなければこれらのことはできなかったので本当に感謝している。

ホストファミリーと初めて会うときと同様に、初めて学校に行くときも緊張した。
僕はこの日、友達ができるか、授業が理解できるかなどの悩みを抱え込んで通学していた。しかし、これらの悩みはすぐに解決された。ホストシスターがまず僕の友達作りの手伝いをしてくれた。日本に興味を持っている人が意外にも多く、友達はどんどん増えていった。中には話すスピードが非常に速い友達がいて、理解するのが難しい時期もあったが、次第に慣れていき会話に不自由することは少なくなった。
学校の授業は最初、非常に苦戦した。生物や化学に出てくる専門用語は英語で書くとスペルが難しいものが多く、覚えるのに苦労した。
また、日本と違いレポートの課題が多いため(1000字近く書かなくてはいけないこともあった)慣れていない僕はとてもとまどった。それでも先生や友達が手伝ってくれたのでなんとか課題やテストもパスできた。次第に先生や友達にもあまり頼らなくていいようになり、英語力が伸びていることを実感できた。
最終的に英語のクラス(1番下のレベル)でトップになれたことには非常にうれしかった。

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学校で学力優秀賞を受賞。言葉がわからないからといって諦めずに頑張ってよかった

ホストファミリーだけでなく友達との交流も楽しめた。キャンプや映画や動物園、プールにも行った。このときには英語もずいぶん上達してきていたので何の不便もなく楽しむことができた。
特に友達とのキャンプは約1年のオーストラリア生活のなかで最も楽しかった出来事の一つであった。キャンプでは湖で泳いだり、野生のオポッサムを見られたりと、日本で経験したことがないことばかりだったので楽しかったのだと思う。帰国直前にはサヨナラパーティーをしてくれて非常にうれしかった。

日本とオーストラリアの一番大きな違いは家族との交流面だと僕は思う。オーストラリアでは家族全員で出かけ、行事をすることが多い。一方、日本では高校生ぐらいになってくるとそのようなことをする人は少ないと思う。家族を大事にするというのがオーストラリアの人たちの考えらしい。
僕はその考えのすれ違いで一度ホストシスターと大喧嘩をしてしまったことがある。僕はこの後、異文化をしっかりと受け入れてない自分を恥ずかしく思った。その後、ホストシスターとは仲直りし、僕も家族をもっと大事にしようということを胸に誓った。

楽しいことだけではなく、つらいこともあったが、充実した10ヵ月を過ごす事ができた。僕は英語力だけでなく、性格も変わったと思う。
出発前、僕はとてもシャイな人間だった。オーストラリアに来て、学校に行き始めたとき、僕はある先生から全校生徒の前でスピーチをしてほしいと言われた。この申し出を最初は断固拒否していたが、チャレンジしなければ後悔するだけだと思い、最終的に受け入れた。
本番当日、スピーチを読んでいるとき足ががくがく震えていたが、終わった後みんながいいスピーチだったと言ってくれたのが非常にうれしかった。これで僕はシャイな性格を直せたと思う。
もし留学するかしないかで迷っている人がいたら僕は是非勧めたい。もちろんいいことばかりが起きるとは限らない。しかし、何事もチャレンジすることが大事だと思う。それに新しいことを見たり感じたりするチャンスだ。僕はAFSで留学して非常によかったと思う。

2013年1月 オーストラリア派遣
AFS59期生/AFSボランティア奨学生 永草拓真

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