留学は、時間の経過が長いようで短いようで、毎日が特別なわけでもなく、それでもやはりそう思うのはここでの暮らしに慣れたからでしょうか。サッカーで言うところの前半45分の部分を、5ヵ月間のドイツでの経過を報告したいと思います。

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始めはドイツ語が全く出来ず、ただぼんやりと未知の音色を聴くだけでした。
僕は旧東ドイツ領に配属されたため、ホストファミリーはもちろん学校でも全てドイツ語を使っています。英語が出来る人が西ドイツよりも少ないからです。稀に英語で話してくる人もいますが、折角ドイツに来たのに現地の言葉を使わないのは勿体無いと思い、「ドイツ語でお願いします」とか、「英語は忘れました」などと言ってドイツ語で話すようにしています。

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とにかくドイツ語に慣れるために、最初の1ヶ月目は現地の高校には通わず、現地の小学校に通うことになりました。僕は、なにがなんだか分からないまま小学校へ行くことが決まったため当惑していました。
しかし、先生方も、子供達も皆アジア人の僕に興味津々な様で、色々な質問をされたため戸惑いなどすっかり無くなり、それどころかドイツ語が出来ない自分がどうやって日本について上手く説明するかという新しい壁に衝突していました。
案の定、大人からも子供からも日本について誤解されている部分が多く、それを解いて正しい知識を教えるのも留学生としての使命かなと思いながら必死に質問に答えていました。

イースターの休みの後は現地の高校に通うことになりました。しかしここでもまた困難が。生徒達は小学校の児童達とは違い僕に興味津々というわけではなく、初めはなかなか上手く話しかけることが出来ませんでした。その代わり同じAFSのコロンビアとチェコからの留学生と仲良くなり、高校に通いだして最初の1、2ヵ月は彼らと会話して過ごしていました。
そうこうしているうちにドイツ語も慣れ、いつの間にかドイツ人の友達も幾人か出来ました。ここで大事だと思ったのは何事も「自分から」、ということです。そうしないと相手も自分に興味を持ってくれない。
いつの間にか、とは先述しましたが今思い返せばいつの間にか自分の殻を破っていた気がします。ドイツ語はまだ十分に話せるわけではありません。しかし、君と話したい、というその意志が、挑戦する姿勢が相手に伝わったのだと思います。

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残り後半年。長く感じるか、短く感じるかは自分次第です。今は夏休みに入っています。明日からホストファミリーと一緒に1週間Ostseeへ行きます。きっと残りの半年は今までの5ヵ月よりも短いのだと思います。


2013年7月 ドイツより
AFS60期生/AFSボランティア奨学生 宮武知礼

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