アメリカ合衆国の中心部(地理的に)位置するコロラド州。西にロッキー山脈を擁し、低温かつ乾燥した気候風土で有名です。私はこのコロラド州に派遣されたたった一人の日本人AFS留学生です。私はこれまでの凡そ6ヶ月の間に本当に様々なことを経験しました。ホストチェンジやスクールチェンジといった個人的なことから、1000年に一度と言われる豪雨、そしてそれによって引き起こされたいくつもの街を壊滅させた洪水。

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コロラドは本来乾燥していて、雨がずっと降り続けるということはとても稀です。しかしその時は、二週間以上豪雨が降り続きました。道路は川のようになり、これはすごいことになったと思いました。
しかし、私が住んでいたところよりも少し北の地域では、街が壊滅していました。空を見上げれば報道のヘリコプターが飛び交い、学校は閉鎖されました。テレビでエンドレスに流れ続ける、洪水が信じられない早さで広がり街を飲み込む様子は、私に今まで生きてきた中で一番辛い記憶を呼び戻しました。
それから私は支部のオリエンテーション、学校の授業、その他たくさんの機会を使い、日本や私の街、東北についてのプレゼンテーションをしました。自分の言いたいことすべてが伝わったかは自信がありませんが、シニア(12年生、日本で言う高校3年生)の女の子が、「私に何が出来るかはわからないけど祈り続ける」と言ってくれたことにとても感動しました。

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支部オリエンテーションでプレゼンをするときに使ったもの

その後ホストチェンジ、スクールチェンジを経て私は洪水で壊滅的な被害を受けた街の隣町に今暮らしています。まだあちこちの道路は直されていません。家を流された人があまりにも多く、建設業者はその人達の仮設住宅を建てるので手一杯で道路にまで手が回らないそうです。道路が直るのは最低でも72ヶ月後になるという試算が出た、というのを地元紙Denver Postで読みました。でも、コロラドの人々は強いです。それぞれ残されたもので商売を始め、復興への道を確実に歩んでいっています。

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国立公園に行ったときに買ってもらったTシャツ

奨学生としてコロラドに派遣されこの大災害を経験したのは、偶然ではないような気もします。日本に帰るまでの残り6ヶ月、新しい学校に慣れるのは大変ですが頑張っていこうと思っています。そして日本に帰ってから、私がコロラドで東北のことを話したように、コロラドの話をまた皆さんにお聞かせ出来ればいいなと思っています。

2014年1月 アメリカより
AFS60期生/ジャパン・ソサエティーみちのく応援奨学生 高橋茜

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