ドイツでの11ヶ月間、私は慌ただしい日本の生活から離れて、ゆったりと時間が流れる生活を経験することが出来ました。
そこで私は、自分で考え行動することの大切さ、同じ趣味を持つ人と時間を共有する楽しさ、そして何より家族と過ごす時間の大切さを学びました。
今ではドイツは私の第2の故郷です。家族や友達が待ってくれる、思い出いっぱいの場所になりました。

この11ヶ月間に本当にたくさんの人との出会いがありましたが、私が一番感謝しているのはホストファミリーです。
私の家族は、過去に留学に関わったことがあったので、その経験から、最大限に私をサポートしてくれました。ドイツに到着した翌日から家族全員で、私がドイツ生活に慣れ、ドイツ人に近づけるよう様々な工夫をしてくれました。
兄弟とは、家中の家具にドイツ語の単語を書いた付箋を一緒に貼って回りました。両親とは、学校での出来事を毎日話しました。なかなか授業中に私が発言できないのを知って、母が帰宅後に何の教科で何を発言したか確認してくれるようになり、そのお陰で積極的に授業中に挙手できるようにもなりました。
家族の協力があって、早い時期に私はドイツ語を話せるようになったと思います。

ドイツで家族と過ごしたクリスマスはとても印象に残っています。
クリスマス当日の朝、兄と協力してツリーの飾りつけをして、お母さんと一緒にクリスマスケーキも作りました。ツリーの周りには自分が家族一人一人に準備したプレゼントを置きます。
夜、プレゼントでいっぱいになったツリーの周りを家族で囲んで集まり、1つずつプレゼントを開けて見ていきました。私はチョコレートや本、ドイツでクリスマスと大晦日に必ず放映されるDVDなどをもらいました。
賑やかなクリスマスマーケット巡りもとても楽しかったのですが、静かに家族と過ごすクリスマスは特別な日として思い出に残りました。
また、ドイツでの一番の収穫は、友達だと思います。
私の学校には、アメリカやメキシコ、ノルウェーなど約12人の留学生が通っていました。そのため、休憩時間には各国の政治事情や文化、天候などについて話し合ったり、同じ留学生という立場で悩みを相談しあったりもできました。
AFSの集まりで出会った友達もたくさんいます。夏休みに参加したダンスキャンプでは、ダンスを一緒に踊りたいと集まった人たちと出会いました。シェアハウスで3週間を過ごした各国からの仲間は24時間同じ空間にいたため、家族のような存在になりました。
このように親しい友達が世界中にできたことは留学ならではのメリットだと心から感じますし、今世界各地に友達がいることを誇りにも思います。

留学中特に辛い経験はしていませんが、少し驚いたことがあります。多くの人が、私が広島出身と伝えると「広島って、今人が住めるの?」と聞いてくるのです。
その質問をしてきた理由は2つありました。まず1つは原爆投下による放射線がまだ残っていると思っている場合、そしてもう1つは広島と福島の聞き間違いでした。福島原発のことは皆よく知っていて、放射線は大丈夫なのか聞いてきました。
それから、日本では東京や大阪など大都市の一部の人しか英語が話せないと思っている人もいました。ローマ字を使わないアジアの国々にとって英語は難しいので話せないと思ったようです。
また、一番私が衝撃を受け、海外ならではの発想だなと面白くも思ったのは、日本食はとりあえず醤油を入れれば良いという勘違いでした。
このように、日本の本当の姿はまだまだ知られていません。ドイツ滞在中、日本について自分が知っている限りを語って、日本料理も食べてもらい、日本文化を知ってもらう努力はしてみましたが、まだまだ足りないと思います。
今回の留学中に得た友達を通して、これからも日本について情報を発信して、本当の日本について広めていきたいと思います。

日本に帰国した今も、ホストファミリーとは毎週スカイプで会話しています。そして、嬉しいことに家族皆が、「早く帰っておいで」といつも言ってくれます。
こんな素敵な家族、そして友達に出会うチャンスをくれた家族、先生方、AFSの方々には感謝してもしきれません。
この感謝の気持ちを忘れず、そしてこの留学を通して培った友情、精神力を活かし、将来、社会に少しでも貢献できたら良いなと思います。

2017年1月 AFSひろしま奨学金
AFS62期 ドイツ派遣/ 鈴木絵茉

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