10月29日(月)、六本木の国際文化会館にて『わたしの家族の明治日本』(文藝春秋)の出版記念講演会を、モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団と共同開催しました。

著者のジョアンナ・シェルトンさんは、高校時代にアメリカからデンマークに年間留学した元AFS生。
米国財務相で日本経済専門家として働き、国務省貿易政策副次官補を経て、経済協力開発機構(OECD)の事務次長を最年少で務めるなど世界経済を動かす最前線で活躍されてきました。
その後、故郷モンタナに拠点を移し、大学で教鞭をとりながら、明治の日本でアメリカ長老派教会(プロテスタント)として生きた曽祖父トーマス・アレクサンダーさんの生涯を辿った著書を執筆され、このたび日本語版の出版に合わせて来日されました。

各地で教会の設立に尽力し、思想の力を通して変化を追及しようとする板垣退助の要請に応じて自由民権運動の志士たちにキリスト教の教えを説き、明治学院大学や同志社大学で設立期の教育に携わるなど、明治の日本で多くの人々の命にふれた曽祖父トーマスさん。
ジョアンナさんは、曽祖父トーマスさんのパーソナルな人生に焦点を当てることで、ひとりの人間が、周りの人にどれだけ大きな影響を与えることができるのかを明らかにするとともに、見知らぬ土地で直面する孤独や困難をご自身のAFS留学体験にも重ね合わせ、人生を変える海外での体験を、ぜひ若い方々に勧めますと語られました。

▼参加者感想
はるかかなたの未知の国の新しい歩みに人生の大きな部分を賭けた曾祖父さまのお話を伺い、感動しました。その曾祖父さまのチャレンジスピリットがジョアンナさんにつながっているのですね。
私は長老派教会の中学・高校に通っていました。改めてWEBで学校の沿革を調べてみると、1889年米国南長老派教会の宣教師(女性)によって創立された、とありました。多少年数はずれますが、ジョアンナさんの曾祖父さまはご存知だったでしょうね。ジョアンナさんの暖かいお人柄の伝わる、とても良い午後のひとときでした。
(講演会参加者 AFS友の会 片山愛子さん)


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