7月1日(土)に、認定NPO法人難民支援協会(以下「JAR」)の方をお招きし、帰国生企画-難民支援協会とのミニコラボイベントを開催しました。
このイベントは留学を通して難民問題に興味を持った63期ドイツ帰国生(在新潟の高校生)の発案により、AFS40期生でJAR勤務の田中志穂さんにご協力いただき、実現したものです。

イベントには数日前に帰国したばかりの63期生から62期生、短期プログラム参加生、学生ボランティアの方、合計13名が参加しました。
留学を通じて、または学校での勉強、ニュースなどで感じた難民についてのそれぞれの思いや疑問のぎっしり詰まった自己紹介から始まったイベントは、開始から真剣さに包まれていました。

まず、最初に田中さんから「難民問題について」「日本と難民」「難民と認定されるまでの日本での生活」「日本が難民を受け入れられる社会になるには」などについてのプレゼンテーションを行っていただきました。
プレゼンテーションではニュースだけでは伝わらない日本の難民受け入れの実情を詳しく聞くことができ、またそれを受けて、参加した学生たちからは様々な疑問や質問をする姿がありました。

その後、2つのグループに分かれて「留学経験をどのようにこの問題に生かすことができるか」「この先、自分たちで何ができるか」などのディスカッションを行いました。
30分程度のディスカッションでしたが、時間が過ぎるにつれて双方のグループとも白熱し、どんどん新しい意見やアイディアがでてきました。
まだまだ、物足りないといった様子の皆さんでしたが、発表の時はしっかりまとめてグループとしての意見を発表してくださいました。

双方のグループから共に出ていたのは「まず、知ることが大切」ということ。日本の難民受け入れが進まない実情、難民認定されるまでの難民の皆さんの現状、他国の難民に対する対応、難民として来る人たちの母国について等を日本人が知り、理解することが大切なのではないかということでした。
イベントに参加して、これから更に難民問題について各自で勉強しながら、自分たちにできることをもっと仲間と話し合いやっていこうと感じられたようです。

~イベントに参加して~(発案者の学生の感想)

「大切なのは、難民が入れる態勢を整えていくために、私達自身が変わっていくこと。」

田中さんのこの言葉に、私も確かにそうだなと思いました。
現在、難民申請をしてから許可が下りるまで、生活をするため借金をしなければならない状況や、ホームレスとなってしまう現状があると話がありました。この現状は、あまり知られておらず、そのため、難民への対応が何も変わっていかないということを、この勉強会で知りました。
話をお聞きし、一人でも多くの方に難民問題について知ってもらいたい、と感じた私は、自分にできることは何かを考えて、誰かに難民問題を発信できる人の一人になりたいと思いました。

今回、この勉強会が開催され、留学の経験をもとに同様の問題意識を持つ人が集まりディスカッションができたことは、大変貴重な経験になりました。田中さんのお話を聞き、難民問題の現状をどうにかしなければいけないという危機感を感じました。また、「私たちにできることは何かないのだろうか」というテーマで行ったディスカッションでは、実現できる可能性も感じられ、私にとって、とても有意義な機会となりました。
最後に私の提案を実現してくださったAFSの皆様、休日にもかかわらず講演を行ってくださった難民支援協会の田中様、参加してくださったリターニーの皆様、本当にありがとうございました。
今回の勉強会で得た学びを、今後の自分自身の成長に生かしていきたいと思います。そして、難民問題について微力ながら尽力していきたいと考えています。


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