留学を終えて少し時間が経ちました。パラグアイの空港であんなに泣いたのに、今は日本の生活が忙しくて、かけがえのない人達との出会いもあの一年もまるでなかったようです。

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帰国前には人に会う度もう会えなくなることを考えました。あの瞬間もあの景色も全部愛しく感じました。ああきれいだな、ここが好きだな、という気持ちを大事にしていました。

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夢のような一年間は、現地の家族や友人がプレゼントしてくれたものでした。また、そこにあった国が私にくれたものでした。
パラグアイはまだ小さくて、人口も少なくて、政治も社会もうまくいっていないことがたくさんあるけれど、人のあたたかさがあるところでした。
大きな川や、広大な森林、賑やかな街、あふれる果実、透き通った空、上空一面の星空があるところでした。瞬間的に好きだ、と思ってシャッターを切りました。胸がいっぱいになりました。目を見開いて、自然と笑顔になりました。

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ここに私がいることが信じられません。あそこにいたのに。
空港で、もう明日から会えないことが、一緒にいられないことが、「帰る」ことがゲートに入るそのときバサッと現実になって、泣かずにはいられませんでした。
家族と抱き合って、その手を離すのがいやでした。家族が好きでした。友人が好きでした。お家の犬が好きでした。大きな空が好きでした。

すばらしい思い出に感謝しています。

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日本でくじけるときがあります。ぽっかり空いた一年間、知らないこと、変わってしまったことで置いてきぼりになることがあります。一人、違うところにいるような気がします。
でも、前よりもっと強く、緩く、明るく進化した私がいます。だから負けません。

私にはきらきら輝いていたあの一年が確かにあります。確かなうちに、大勢の人に、話して聞かせたいと思います。

2016年2月 パラグアイより
AFS62期 公益財団法人設立記念奨学生 谷口楓

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