2010/10/7 – Report;

高層ビルの林立する東京をあとにバスはひた走り、2時間半ほどすると、後方に冠雪の富士山が浮かび、八ヶ岳連峰が雄大に連なり、反対側には甲斐駒がごつごつした荒々しい姿を現す。その頃になると到着オリエンを済ませて派遣される留学生達は、”Oh,my God!” と心中叫ぶらしい。東京を遥かに離れたという思いと迫りくる山々の景色に圧倒されるのだろうか。

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2008年7月26日、北八ヶ岳の高見石にて

2005年の夏から、この叫びは更なる現実となる。この年から支部行事として「登山」を実施。なんと第一回目から意気軒昂。南アルプスの北端、標高2967mの前述の甲斐駒を目指す。土地柄支部員にはアルピニストが何人かいる。その見事な先導のお陰で初心者ばかりの留学生とホストファミリーの混成チームにも拘らず登攀に成功。
厳寒の時でさえヘソは出すべしと譲らぬコスタリカ生は、この登山の時もヘソだしルックで行き交う山男の目を大いに楽しませた。ドイツ生は昨年の「支部10周年記念式典」に、「足がガクガクになったが、最高の思い出」とコメントを寄せている。この年いらい夏山登山は継続。来信する留学生達のビターでスイートな思い出になっているはずである。

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2009年12月14日、JENESYSの生徒と「飯田市川本喜八郎人形美術館」を訪問

長野南信は谷深く公共の交通機関が発達していない。異文化との巡り会いもAET(※ Assistant English Teacher)位で同年輩となるとまずない。だからこそ中・高校生達に支部行事への参加を積極的に呼びかける。日本人学生の好奇心に火をつけ、チャレンジ精神を呼び覚ます場をささやかだが提供したいと思っている。今年は「登山」に高校生が2名参加した。同行した留学生達から大いに刺激を受けて留学への意思を固め58期生 として飛び立とうとしている。

一泊で行われるローカルオリエン、JENESYS(※Japan-East Asia Network of Exchange for Students and Youths 政府主導の「21世紀東アジア青少年大交流計画」)の交流会でも地元の中・高校生を募集する。最後のお別れ会には歓迎会から参加してくれた生徒達が別れを惜しんで来てくれる。交流は帰国後も続くこともあるようだ。
帰国の途への車中、留学生達は配属される時とは全く違う思いで心中、”Oh,my God!”と呟いているだろう。

(長野南信支部長 半澤貴子)


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