AFS活動には、生きた「異文化理解」、「学びと成長」、「人と人との絆」が織り込まれていて、私にとって人生を豊かにしてくれるエッセンスになっています。そのエッセンスにICL®(Intercultural Learning)が加わり、更にAFS活動は面白くなってきていると思っております。
昨年、ICLの初歩的な研修「レベルW(What Every AFSer should know About Intercultural Learning)」に参加し本当に感動しました。世界のAFSが長年積み上げてきたAFS教育的インパクトが学術的にも体系的にまとまってあり素晴らしいと思いました。

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形山・千葉・Sarita・田代・Saraha

同時に、世の中でAFSは知る人は知っていますが、知らない人は本当に知らないのがAFSですから、レベルWを受けた後で、この研修を学校や企業、公的機関にPRしていけばAFSの認知度も高まり、ホストファミリー探しや留学生募集にも役立つような良いこともあるのではと色々な思いを巡らせながら、2月1日~2月5日にインドのニューデリーで開催されたICL研修に参加させていただきました。

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2月1日午後、無事にニューデリー空港に到着し、タクシーでホテルに移動中、道路は渋滞で混み合っていましたが、タクシー運転手は隙あれば車と車の間に割り込んで運転してゆき、途中で交通事故に遭いはしないか心配し、日本では考えられない交通事情。このような世界で生活しているインド人は本当に逞しいなと思いました。

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Welcome

ようやくホテルに到着し、ホテル前方の奥側の部屋に手書きで「Welcome to The Asia-Pacific National Qualified Trainer Workshop」という看板を見つけました。
ITが発達したこの時代に、手書きの看板??と思いました。会場内に入りましたら、4泊5日のスケジュールも色紙を切ってマーカーで手書きした100パーセント手作りでした。

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開会式の自己紹介は、会場全体のスペースを世界地図になぞらえて、出身国、人生で一番影響を与えた国、今夏旅行したい国はどこかと5ヶ国12名の参加者に話させ、色々なアクティビティをしながらお互いを知るというものでした。私にとっては奇想天外で本当に楽しかったですし、他の国々の参加者にも親近感がもてました。

又、研修のルールは講師が決めるのでなく、参加者から意見や考えを言って皆で決める方式で、開会式から始まって修了式まで、講師がレジュメを決めてレクチャーするのではなく、参加者が自分の知識、感性、経験、創造力を働かせながら、お互いに意見交換、協働作業をしながら創り上げてゆく研修であることが分かりました。

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研修会場の看板、スケジュール、生徒のLearning Journeyの流れ、文化モデル(アイスバーグ、玉ねぎ型、樹木型、砂丘型)、適応のU/W カーブ、DIVE(Describe, Interpret, Verify, Evaluate)、コミュニケーションスタイル、DMIS(Developmental Model of Intercultural Sensitivity)で使った視覚資料、アクティビティ資料も全て手作りに驚き感動しました。

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文化モデル

これは、AFS活動は基本的に人と人とが関わる活動なので、「人の心を大切に」という信念も研修のコンセプトだと感じました。

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又、手作りの資料を使いながら、参加者達は、テーマを与えられスキット、グループ内で討議したりした後、参加した人達の考えや意見を全体で発表し、最後は講師から学術的な観点から体系的にレクチャーという手順で本当に充実した研修でした。
創意工夫力、プレゼン力を活かしながら身体全体で学び、参加者達自らがが積極的に創り上げていく研修で、午前9時~午後8時まで学び、夕飯も授業の打ち合わせや他の国のボランティアと情報交換など密に学びあいました。

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セッション毎に行われたエナジャイザーというアクティビティは皆が元気になり仲良しになれ、缶詰状態の研修に癒しとリフレッシュの時間でした。

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研修を受けて、ICLの全体像が見えて、今後のAFSのオリエンテーションやサポートに活かせると思いますし、何よりもAFSを支えていただいているボランティアの皆様のより良き学びと充実した活動のエッセンスになれるAFSの教育的アプローチの一つと思いました。このような貴重な研修の機会に参加させていただき、AFS日本協会に心から感謝しております。

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公益財団法人AFS日本協会 職員 千葉彩子

▼ボランティア・職員の異文化学習


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