2019年12月7日(土)、大阪府内で「国際理解・グローバルキャリア講演会」を開催しました。

本会では、尾原蓉子氏(ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション会長兼代表理事)を講師に迎え、「すべてはマンケイトにはじまった -16歳のAFS留学が拓いたキャリアと、どんな障害にもしなやかに対応する壁破り体験物語-」というタイトルの講演を行いました。

日本のファッションビジネスをけん引し、女性リーダーの先駆者として、ファストファッションの代名詞・ユニクロを展開する(株)ファーストリテイリング 柳井会長が「最も尊敬する女性」と公言する尾原蓉子さんが、ご講演の中で、高校時代の留学体験からファッションビジネスという言葉を生み、その概念が定着するまでの過程でぶつかった「壁」を乗り越えてきた経験についてお話され、さらに、現在のファッションや様々な業界において日々生み出される新しいサービスを紹介しながら、「今、そしてこれからの時代を創っていく世代」に対して、貴重なメッセージをくださいました。

尾原さんは、AFSが日本からアメリカへ派遣した交換留学生の第2期生で、高校生時代にミネソタ州にあるマンケイトという街で約10カ月間を過ごされました。講演の冒頭では、尾原さんが渡米する際に、氷川丸という船に乗り、地平線とともに小さくなっていく日本の姿を眺めながら、強烈な恐怖感と自立への焦燥感にかられたそうです。

また、留学生活の中で、「You are so different!」と言われたことに、最初は非難されていると感じたが、実は「“他と異なっている”というのは、素晴らしいことで、褒められている」ということに気が付いた、というエピソードも紹介されました。
このことは、後に尾原さんが講演の中で提唱される「成功に不可欠な7つの態度・姿勢」でも真っ先に挙げられる「人と違う自分を作ろう」につながる経験でもありました。

また、尾原さんご自身が、初の女性総合職として旭化成株式会社に入社されてから、「壁」にぶつかりながらも、周囲を巻き込み、日本におけるファッションビジネスの定着につながる新たなアイディアをたくさん創出し、発信してきたご経験をお話くださいました。
さらに、現在のファッション業界における「レンタル」という形の新しいサービスの成功例などもご紹介下さり、私たちも、これまでは売り物が「プロダクト(製品)」だった時代から、今は「サービス」を提供する時代に変わっていることを、強く意識しました。

そんな、「これまで普通(常識)だったこと」が知らず知らずのうちに大きく変化している現代において、尾原さんは、「人材は“育てる”のではなく、一人一人が自身のキャリアに真摯に向き合い“自ら育つ”意識が必要不可欠である」と、私たちに気づかせてくれました。
では、「自ら育つ」ためには、何が必要なのか?
その答えとして、尾原さんが私たちに授けてくれたのが「成功に不可欠な7つの態度・姿勢」です。

この中の一つ、「世界を舞台に活躍しよう」という意味は、必ずしも「海外で仕事をする」ということではありません。どこで、何を創るとしても、「世界」を視野に入れて、アイディアを生み出す、ということが最も重要なのです。

そのためには、「世界を見ること」「世界を知ること」がまずは必要です。
尾原さんは、高校生という、多感でまだ何色にも染まっていない時期に、「周囲に守られた心地よい場所から旅立つ覚悟」を持ち、「自分と違う」ことばかりの環境で、何度も壁にぶつかり、その壁を破りながら、多くのことを肌で感じ、吸収しました。

中学生・高校生の皆さんは、今の環境の中で、「壁」を感じることはありますか?
その「壁」に挑み、打ち破るための努力をしていますか?
そして、私たち大人は、彼らが大きな舞台へ飛び立つチャンスに、力強く背中を押してあげられているでしょうか。
本講演会は、「目の届くところで近くの大人が育てる」のではなく、「広い世界の中で自ら育つことができる環境を与える」ことが、これからの世代の成長のために、私たちができることなのかもしれない、と感じる2時間になりました。

本講演会は、大阪府教育庁、大阪市教育委員会、公益財団法人大阪府国際交流財団、公益財団法人大阪国際交流センターのご後援、日本経済新聞出版社のご協力のもと、開催いたしました。


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