私は34期(1987-88年)アメリカミズーリ州カンザスシティ派遣のリターニーです。

帰国以降、家族を伴っての「里帰り」は96年、04年、12年と偶然にも毎回8年間隔だったので、2012年のクリスマスの帰省の際に「次は2020年夏休みに!」と約束し、早くから航空券を予約し楽しみにしていました。

ですが皆様ご存知の通り、パンデミックがあり断念。その後ホストマザーが病気で入院。ホストマザーは女性として、母親としての生き方が私のロールモデルとなった人です。彼女の強さと優しさと心の広さにどれほど支えられ、その後の人生に影響を受けたか計り知れません。ホストシスターの3人とはまめに連絡を取り、退院し日常生活に戻った報告は受けていたものの、写真で見る姿は以前よりもずっと弱って見えたので心配でたまりませんでした。それだけに今回の11年ぶりの再会は本当にうれしいものでした。

今回は夫婦での里帰りでした。日程にはアメリカ人にとって大変大きなお祝いイベントである7月4日の独立記念日が含まれていて、妹夫婦が親戚やご近所を招いて庭で開いた盛大なパーティーに参加させてもらいました。みんなが気楽に椅子と料理を持ち寄って自由に過ごし、いろいろな人と交流し、暗くなってからは花火のショーが始まりました!妹の夫が専門の資格を取って設置した本格的な花火をみんなで楽しみながら、アメリカの「大らかに分け合う文化」に久しぶりに触れ、当時のワクワクした気持ちを思い出しました。

また、留学生生活の日常だった「普通の日」を過ごすこともできました。これまでの里帰りでは、両親の家で留学時に使わせてもらった部屋に泊まっていたのですが、今回は高齢の両親の負担を思い、当時共に学校に通った同級生のシスターの家に泊めてもらいました。彼女と一緒に料理をしたり、デッキで夕暮れにアイスを食べたり、近所の新しいスーパーをうろうろしたり、そして何よりも時間を忘れて彼女とのおしゃべりを楽しみました。

三姉妹の子供たちもそれぞれ独立し、家族が増えていたのも喜びでした。姪の一人は女性と結婚し養子を迎え、素敵な家族を築いていました。多様性をごく普通に実現している環境は魅力的で、まだまだ追いつかない日本の状況に歯がゆさを覚えつつも、法律的なことはともかく人の心の持ちようの上の多様性だけは真似していきたいと改めて感じました。

カンザスシティには国立第一次世界大戦博物館(National World War I Museum and Memorial)と言う施設があり、初めて訪れました。道中、第一次世界大戦と言えばAFSの歴史のスタートだねと話していました。展示は分かりやすく充実しており、勉強になるなぁと興味深く見ていたところ、後半のゾーンに見覚えのある車が!AFSの歴史を伝える大きな専用のコーナーがありびっくりしました。大戦博物館なので、戦争中の活動についてのみを伝える展示で、現在のAFSが若者の交流をもって世界平和に貢献しているという説明がなかったのは残念ですが、AFSの存在意義を改めて確認する大きな機会となりました。

高齢のホストペアレンツと離れるのは本当に辛く、「あなたは私たちの娘だ」と繰り返し言ってくれる二人とのハグはいつも通り温かいものでした。ホームシックで辛い時期もこの二人が支えてくれたから乗り越えられ、あの一年を人生の宝物の時間に出来たのだと、涙が止まりませんでした。「私たちの娘を連れてきてくれてありがとう」と何度も言われた夫も感動していました。
次は8年も待たずに、会いに帰ろう!と心に誓って帰国しました。


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