私にとって留学とは私という人間や人生を変えてくれた大切な存在です。

出国前のオリエンテーションでAFSの留学は異文化理解が大切だと教えていただきました。その時私は「異文化理解なんて知った文化をコピーするだけでしょ、簡単じゃん」と思っていました。でも実際現地に到着してすぐその考えは打ち砕かれました。
時差ボケでまだ身体が慣れていないまま深夜4時まで続くパーティーや日本人と比べると明らかに近い距離感などなど、頭でこれがアルゼンチンの文化だと分かっていても受け入れきれない自分がいました。
その時の私は極端に言えば、ものすごく自己中心的な人で周りの意見が自分の意見と一致しないと気が済まないような人でした。そんな私だったので、アルゼンチンの文化が間違っている、今まで生活して慣れ親しんで来た日本の文化が正しいと思い込んでいて、当たり前のようにアルゼンチンのことが嫌いになっていました。

ある日、この思いが積み重なり、どうしても耐えきれなくなりホストファザーの前で大泣きしたことがありました。その時、彼がかけてくれた言葉のおかげで私は変わることが出来ました。
「違いは受け入れなくてもいい、知るだけでいいんだよ。」
私は留学とはその国の文化を100%コピーして日本人としての気持ちや考えを殺し、現地人になりきることが正しいのだと思っていました。ですが、それは間違いでした。
留学、そして異文化理解では全てを受け入れることではなく、そのことについて知ることが一番大切だということです。十人十色という言葉がありますが、その通りで全員がそれぞれ違うから世界や人間は面白いのであって100%コピーしてしまったらそれは何の面白みもありません。だからこそいい意味で受け流し、「この国やこの人はこんな考え方するんだなぁ、おもしろいなぁ」と思うことが留学生活をしていく上で大切なことなのだと気付くことができました。
このおかげで考えが根本的に変わり、留学の面だけでなく日常生活、もちろん帰国した今の日本での生活でも役立っています。

もう一つ留学のおかげで変わったことがあります。それは将来のことについてです。
アルゼンチンは先進国である日本に比べてやはり社会保障や公共の面で遅れていると感じることが多かったです。
特に実感したのは教育の面についてでした。留学中は現地の公立高校に通っていたのですが、教師によるストライキが多く滞在11ヶ月のうち3ヶ月ほどしか登校日がありませんでした。
これは色々な理由で政府から州に十分な教育費が下りず、それが教師の賃金にも影響しているからだと聞きました。政府による政治行為が実生活に直接影響するということを実際に体感し、政治についてもっと深く知りたいと思うようになりました。
元々は国際的なことに興味があったので漠然と外国語学部に行こうかと思っていたのですが、この経験のおかげで本当に興味のあることに気付き、志望学部を政治系学部に変更し、現在受験勉強をしています。

明確な目標もなく留学に行くことを決め、前からやってみたかったスペイン語が学べ、気になっていた南米に行けるからということで派遣国をアルゼンチンに決めたので、留学序盤では親に高いお金を払ってもらい迷惑もかけ、さらに留年までして留学している意味とはなんだろうと何回も悩みましたが、アルゼンチンの文化やスペイン語だけでなく、私の考え方や将来の進路まで変えてくれた留学をしてよかったと今では胸を張って言うことができます。
留学を悩んでいる人、もちろん辛いこともたくさんありましたが、それも含め留学だったと思っています。留学から得られることは留学からでしか得られません。
ぜひ留学に行ってあなたにしか感じられない唯一の留学体験をしてきてください。絶対に後悔はしません。

-平林あやの

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