私は、留学して変わったことが2つあります。
1つ目は、ことばを学ぶことの大切さに気付けたことです。日本では、フィンランド語は教材が少なく、周りに教えてくれる先生もいなかったので、私は留学前ほとんど勉強せずに行ってしまいました。だから最初、周りの話や授業についていくことができず、つらかったです。しかし、「ゆっくり話して」と伝えると、友だちはゆっくりジェスチャ-や筆談を使って話してくれました。
またわからない単語があると、いきなり英語に訳したものを伝えるのではなく、フィンランド語の近い意味の簡単な単語や、使う時の状況説明などフィンランド語で説明してくれました。
また語学が伸び悩んでいる時にホストファミリ-や学校のコース選択カウンセラ-の先生に相談すると、フィンランド語ができるようになるためのアドバイスをくれ、励ましてくれました。
週1回放課後図書館でIBコ-スの友だち3人がボランティアでフィンランド語のTutor(家庭教師)として教えてくれたことも、私がフィンランド語を好きになり、帰国してからも学び続けたいと思うきっかけをつくってくれました。

フィンランド語の先生になってくれたIBのtutorの3人と私

2つ目は、挑戦するキモチです。
たった10か月なのでやれることはやってみようと思い、いろいろなことに挑戦しました。秋学期にはKannnel(日本の箏に近いフィンランドの伝統的な楽器)のレッスン、春学期には、高校の3年生が中心になって行うオリジナル脚本のミュージカルなどに参加しました。
授業では、英語、数学など日本にある教科はもちろん、日本で勉強していないスペイン語、イタリア語、地理、哲学なども取りました。なかでも印象に残っているのは母語としてのフィンランド語の授業です。その授業では、古い時代の詩を現代語訳したり、演劇に行って感想文を書いたりして、母語ではない私にはとても難しかったですが、とても勉強になりました。
私が気付いたフィンランドと日本との大きな違いは、自分で授業科目を選択し単位を取ること、ホームルームの教室がないこと、90分授業、英語の授業はディスカッション、iPadやPowerPointの活用が当たり前なことです。
フィンランド式教育に興味を持っていたので、小中高一貫校のホストスク-ルで小・中学校の授業に参加したこと、高校のIBの世界史の授業、課外授業で大学の研究所訪問も良い経験になりました。

春学期に参加した劇(abinäytelmä) のワンシーン

今振り返ると、辛かった時期もありましたが、良い思い出ばかりが心に残っています。
帰国後は、友だち、ホストファミリー、LPさん、同じ時期にフィンランドにいた日本や他国の留学生仲間とSNSやカ-ドのやりとりでつながっています。
留学を通して、出発前よりも、私は世界とつながり、今までよりも多くの人の意見を聴くようになり、自分と向き合い、より深く考えるようになりました。自分のやりたいこと、将来学びたいものも見つかったような気がします。
私がいたのは南の地域でしたがそれでもなかなか大変だった長い冬や寒さ、短い日照時間にも耐え、精神的にも強くなれたと思います。
これからは、留学でお世話になった人たちへの感謝の気持ちを忘れず、自分をもっと成長させ、また必ずフィンランドに行きたいです。

63期フィンランド派遣 猿山綾乃

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