2021年10月30日、浦和学院高校(埼玉県)で、AFS東京学生部のボランティアがファシリテーターをつとめる出前授業を実施。講座はおもに座学とグループワークで構成され、同校国際類型グローバルコースの1〜3年生・33人が参加しました。

自らの留学体験をもとに、グローバル課題を提起

最初に、学生ボランティア3人が、AFSプログラムで留学した時に体験した社会課題を取り上げ、それぞれ10分のプレゼンテーションを行いました。

テーマは、フランスに派遣された加藤慶さんが「社会格差」、チリに派遣された角谷理生さんが「ジェンダー」、そして、オーストリアに派遣された池田至良さんが「環境問題」です。

「社会格差」をテーマに課題を提起したフランス帰国生・加藤慶さん
「ジェンダー」をテーマに課題を提起したチリ帰国生・角谷理生さん
「環境問題」をテーマに課題を提起したオーストリア帰国生・池田至良さん

グループ・ディスカッションを通して、課題を「自分ごと」に

続いて、ファシリテーターが提起した3つのグローバル課題について、生徒たちが小グループでディスカッションを行い、グループごとに意見を発表、グローバルな課題を「自分ごと」として捉えること・行動することの大切さを学びました。

講座の最後は、進学座談会の時間に。学生ボランティアが「高校留学の経験が、進路決定や将来のキャリア選択において、どう影響したか」を生徒たちに伝えました。異文化をどう理解するか、多様性に満ちた社会をいかに生きるかーー世界に飛び出した大学生の実体験には、未来を生きるヒントが随所に散りばめられていたようです。

約2時間にわたって行われた本講座は、国際交流や留学に関心を持つ生徒にとって、自身の夢や進路が世界とどうつながっているかを考える上で、新たな視点をもたらす時間になったようです。

参加した生徒の声(抜粋)

“私のグループでは「正しさとは何か」というテーマで話し合いをしました。私の中の正しさは空気を読むことや周りと同じように行動をすることでした。普段あまり考えることではなかったのでとても難しかったです。ですが、周りの人の意見を聞いていろいろと意見を取り入れることができました。よく考えてみると、意外とたくさん浮かび上がるんだなと思いました。”

“プレゼンテーションは、疑問を投げかけるような形式のプレゼンとなっており、見ていてとても興味がわく形式だったので、まったく飽きずに聞くことができました。様々な題材の知識を得ることができ、考え方や自分の行動の一歩など様々なことを考えるきっかけとなりました。(中略)
グループディスカッションでは、ヒントをもらったりして、自分で考えて発表することが、楽しく、自分の意見に自信が持てなくても、仲間で共有する力を身につけられたと思います。人と意見が違かったりしても、人とコミュニケーションをとることの大切さを学ぶことができました。”

“私は将来、生活困窮者の人々に対する支援をしたいと考えており、そのためにはひとりひとり異なる正しさを持っていることを理解しなければならないため、この貴重な機会に考えることができてよかったです。また、マジョリティーが正しいのかなど興味深い意見があり、自分の中で勉強になりました。そして、入試の際の心得なども教えてくださったので、参考にして受験を乗り切りたいです。”

“これまで自分自身のジェンダーについて悩んできたが、自分の主張として周りに伝えようとはしてこなかった。しかし、今回の交流会を通して、自分がうちに秘めている感情を表現することも大切であるということを実感した。”

▼出前授業について

AFS日本協会では、異文化理解教育の研修を受けたボランティアを講師・ファシリテーターとして、教育機関等へ派遣する出前授業(講座・ワークショップ)を実施しています。お問い合わせは、事務局([email protected])までご連絡ください。


この記事のカテゴリー: 教育 AFS活動レポート

この記事のタグ   : 出前授業