ホストファミリーをやろうと思ったきっかけは?

ホストファーザー(以下、Hf): 私がAFSのリターニー(帰国生)でホストファミリーにはとても感謝していたことと、高校生の娘がAFSでアメリカ派遣が決まったので、娘の留学中に受け入れ側の立場も分かると良いと思ったからです。

困ったことをどう解決しましたか?

Hf: アンナちゃんは最初日本語がまったく話せませんでした。だから本人にどうしたいか聞いて、日本語で話しかけた後に同じ内容を英語で繰り返す期間もありました。かなり疲れましたね(笑)。
ホストマザー(以下、Hm): 必ず月に一度家族会議をして、困ったことはあるか、じゃあ来月はこうしよう!と話し合っていました。お弁当の量から、来月はどこに行きたいかなど1カ月のスパンで何でも。普段は日常に追われて大したことは話せませんが、その家族会議でお互いじっくり確認し合えたのはとても良かったと思います。

ホストファミリーの醍醐味とは?

Hf: ホストファミリーは本当の家族ではないので、「家族をする」ということから始まりました。お願いしたり、いさめたりがあまりできず、どうしても手加減してしまう。でも、そういうのって子どもは敏感に感じるんですよね。小6の息子に指摘されて気づきました。それからは「娘にするようなことをする」を心がけて時間をかけて家族になっていけたかな。10カ月だとちょっと足りなかったけど。

10年経っても忘れそうにない出来事は?

Hf: 妻抜きで出かけたスキー旅行で、手違いでシングルベッド2台しか用意されておらず、誰が床にシーツを敷いて寝るかを『大富豪』で決めることに。息子が出したカードが私に有利なカードで私が最初に上がったのですが、アンナちゃんが息子に「何でそのカード出したの」と言ったのに対し息子が怒り出し、険悪なムードになってしまったんです。そこで私が、息子には「ドイツではおかしいと思ったことを指摘するのは当たり前で君を責めているのではない」こと、アンナちゃんには「日本人は対立をしない文化だから、そういう言い方をすると人として非難されていると感じちゃうんだよ」と話したんです。そうしたら2人とも「そんなことまったく考えてなかった!」と泣きながら抱き合って謝まり合ったんです。それを見て、「なんて美しいんだ!」と感動しました。まさに異文化交流の瞬間でした。

ホストファミリーをやって、今思うこと

Hm: 留学生に限らずどんな人に対してもオープンな気持ちになりました。受け入れ側の姿勢ができたのかな。息子の友だちもよく遊びに来るようになったり。
Hf: 息子が葛藤やぶつかり合いがありながらも積極的に彼女と関わり、本当の姉弟のような関係が生まれたおかげで私たちも自然と家族になれたと感じています。

ドイツからの留学生アンナさんを10か月間受け入れ
東京中央支部 杉田さんファミリー


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