インドに行く前に僕はSDGsについての本を読んだ。インドなどの国における貧困の問題は有名だ。僕もインドに行く前はインドに対してネガティブなことばかり感じていた。
「水が汚そう」「歩いていたらすりに会ったり麻薬を勧められたりしそうだ」「人が道の真ん中で死んでるんじゃないのか」…
自分でも極端な想像だとは思ったがインドのドキュメンタリーや本を読んで不安は大きかった。

空港についてホストファミリーと会い車で一時間でホスト宅に着く。一日目で日本と大きく違うポイントを多く見つけた。貧富の差だ。
まだ小学校低学年程度だろう子供たちが道でバラを買ってもらうために止まっている車の窓をたたいている。彼らはボロボロの服を身に纏い靴は履いておらず本当に文字通り骨と皮だけだった。この貧困や貧富の差はSDGsに数えられている。一部の裕福な人々が高級車で走っている隣を貧しく飢えた人々が物乞いをしている。こんな状況は世界で問題視されている。

家に着くと同じマンションの子供たちが入ってきて、いきなりフレンドリーに話しかけてきた。びっくりした。彼らは家に数人お手伝いさんがいてスマホも高価な最新機種を持っている。すぐにこの辺に住む人達は裕福だと感じた。
が、しかし部屋のカーテンを開けて真下を見るとなんとそこにはスラムの村があったのだ。マンションの駐車場との間にあるのはわずか五メートルの道。今回最も貧富の差を感じたのはこの瞬間だった。

インド滞在二週間目。大きな寺院に行った。
ここで僕は「聖水」と称す水を飲まされた。その「聖水」の池は薄茶色で人が素っ裸になって泳いでいたのだ。この水を飲んだ僕はその後二日、強い腹下しに悩まされた。
インドなどの水は汚いことで有名でこれもまたSDGsに取り上げられている。「安全な水とトイレを世界中に」。この目標はこの聖水についてではなく水道水や飲み水の安全に対するものである。僕もホスト宅の水道水で歯を磨こうとして注意されたことがある。腹をこわすのだそうだ。
「日本では当たり前のことが外国では当たり前じゃない」。このことを身をもって実感した。

インド滞在後半。ホストブラザーに運転手さんの実家に連れていってもらった。
そこは今まで表面しか見ていなかった貧困層の村。チャパティという薄焼きのパン(運転手さんの実家版)を食べた。いつもホスト宅で食べるチャパティとは質が違うし、なんとなくすっぱかった。そしてインド料理屋さんでよく出るラッシー。のむヨーグルトみたいな感じなのだがしょっぱくてとても飲めるものではなかった。そのあと“キッチン”に連れていかれた。屋外にあってこれから僕たちが食べるチャパティには土みたいなものがついていた。ホスト宅の広くて綺麗で清潔なキッチンとは大違いだ!!

それでもインドはこんなネガティブなことばかりじゃない。僕が感じたインド最大の魅力とはインド人の国民性だ。
道で目が合えばにっこり笑い返してくれるしさらに時々話しかけてくれる(ヒンディー語だけど…)!!
また車のスピーカーで大音量で音楽を流すとそれが聞こえたインド人が笑顔で全力ダンスを見せてくれたりする。
こんなことが法律で禁止されている日本ならまず見ることはない風景に驚きまた「インド人ってすごいな…」と心から思えた。
こんな堂々とした態度を持ちいつもにっこりしているインド人が大好きになった。もし機会があるのならばインドでできたすばらしい友人にまた会いたいし何よりもっとインドの生活にどっぷりと浸かることのできる旅がしたいと思った。

インド短期プログラム派遣 松岡 柊吾

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