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中国で過ごした日々は毎日楽しいばかりで、日本に帰りたくなったり、日本を思い出して泣くようなこともありませんでした。中国から帰ってきてからも、中国で過ごしていた日々が懐かしく、またあの日々に戻りたいと思ってばかりです。ホストファミリーとすごした時間や学校でできた友達、偶然出会った人たち。本当にいい人たちばかりでとてもいい留学だったと思います。

今、日本に帰ってきて、日本という国と中国という国の関係性についていろいろ思うことがあります。みなさんもご存知のとおり中国と日本の間には複雑な歴史背景があり、隣国だからこそうまくいってないこともたくさんあります。ただ、中国に行って中国人と生活して思ったことは、多くの問題はお互いの理解不足によって生じているのではないのかということです。
どこの国にも国民性というものがあり、各国によって異なります。その国民性の影響もあり、多くの部分で日本人と中国人は考え方自体が違っています。その考え方の違いを受け止めることは難しいことですし、日本で育ってから中国にいくと考え方の違いにいらいらすることも多いです。しかし考え方の違いというのは、どちらかが悪いわけではなく、ただ違うというだけのことです。相手からしたら当たり前の主張もこちら側から見るとただのこじつけに聞こえたり、こちら側の言っていることが、相手側からしたら言い訳にしか思えなかったり。
中国で日本について報道されたニュースを見るたびに歯がゆい思いがしました。日本の普通のニュースも中国では日本が中国を馬鹿にしているかの様に報道されていました。日本人はそんな意図をこめているわけでもないのに中国と日本の関係が悪くなっていくようで悲しかったです。
さらに、日本では中国で反日デモが開催されたといったニュースが流れていました。そのニュースだけ見ると中国人はみんな反日のような印象を受けますが、実際に強い反日感情を持っているのはごく一部の人たちで、報道されているのはそのごく一部の人たちです。

ニュースやインターネットだけでは物事の本質を捉えることはできません。人の手を介して作られている以上、その意があろうとなかろうと人に与える印象は変えられてしまいます。日本にも中国にもいい人はたくさんいるし、中国には日本のことが大好きな中国人だってたくさんいます。私も中国という国は好きにはなれないけれど、中国人は好きだし、また機会があれば中国に行きたいと思っています。だから私はできるだけ多くの日本人に中国に行って、自分の目で中国人を見て、直接中国人と交流してみてほしいです。もちろん中国人にも同じことを思います。
これは中国人と日本人の関係だけに限らず、ほかのことでも同じです。うわべだけを見て、好き嫌いを言っても、何も始まりません。直接見て、感じて、思ったことだけが、本当に自分の意見なんだと思います。まさに”百聞は一見にしかず”です。一見してそれでも嫌いならそれは仕方のないことだし、それについてどうこう言っても意味のないことです。ただ一見もせずに何かや誰かを嫌いになることは、とても虚しいことだと思いました。

これが、私が中国で過ごした一年を通して学んだことです。高校を1年留年して、日本での高校生活を1年間遅らせてまで行く価値が、この中国への留学にはあったと思います。
最後に私の留学生活を支えてくれた皆さん、日本から応援してくれていた人たち、留学に行かせてくれたかめのり財団様、本当にありがとうございました。私は無事に帰ってきました。

2012年7月 中国派遣
AFS58期生/(公財)かめのり財団奨学生 中山はるか

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