スイスでの留学は無論楽しいことばかりではなかった。
早朝から始まる学校や立ち塞がる言葉の壁。挨拶のキスやハグにも話には聞いていたものの大いに戸惑った。
私は他人とこうも近くなることはごく近しい人とだけであったが、スイスの人々は言葉も文化も全く異なる遠く離れた日本からぽんと飛び込んできた私を抱きしめ、よく来たねとキスをしてくれた。

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標準ドイツ語さえままならず、スイスで話されるスイスドイツ語なんてさっぱりであった私に根気よく言葉を教えてくれた。
伝えたくても伝わらない、伝えられない状況の中ストレスが溜まり、もう日本へ帰りたいと思ったことが多々あったが、それでも私が留まり続けることができたのはスイスで出会った人々のおかげだ。
ホストファミリー、学校の友達、異なる国々から集まってきた同じ留学生たち。一緒に笑い、泣き、手を取り合って過ごしてきたこの日々は何にも代え難い宝物である。

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「違うことは悪いことじゃない、違っていても歩み寄ることが大切なの。」これはホストマザーからの言葉だ。
スイスは移民が多く、クラスの大多数が“外国人”であることも珍しくない。しかし宗教が違おうと出身国が違おうと隔たりなく接し、彼又は彼女の国や宗教の伝統料理を皆に振舞ってさえくれる。
違っていてもこうして共に過ごしているスイスでのクラスメートたちを見て目から鱗が落ちるようだった。

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日本にいた頃に目にした民族争いや人種差別による悲しいニュースにより不安を感じていたが、こうして生きている人々がスイスにはいるのだ。
スイスの人々は温かく、深い。どんな国の人であっても少しでも多く理解しようと、歩み寄ろうとする姿勢さえあれば受け入れてくれる。こんな唯一無二の国スイスに留学できたのは誇るべきことだと思う。

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異文化と直に触れ合い、価値観も変わり、今私の前には新しい世界が広がっている。スイス留学で得たことを活かし、世界で活躍できる日本人となりたい。

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2016年3月 ボランティア奨学生
AFS62期 スイス派遣 / 梅村凜

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