「AFS平和の鳩プロジェクト」は、AFS年間派遣プログラムに参加する生徒を全額で支援する奨学金プロジェクトです。1962年~63年に、AFS第9期生としてアメリカに留学した篤志家のご遺志に基づき、運用されています。このたび、60年のときを越えて、第69期生となったAFS年間派遣プログラムに参加する生徒のうち5名が、選考の結果、「AFS平和の鳩プロジェクト生」となりました。

AFS日本協会は、2022年3月21日(月)に、第9期生と寄付者のご家族を招き、壮行会を開催しました。

撮影時のみマスクを外しています

2022年に出発を予定している本プロジェクト生からは、以下のような抱負が語られました。

「サッカーのマネジメントに興味があり、イタリアを希望した。ボランティア活動もがんばりたい。相互理解に努めたい」(イタリア派遣生)

「料理、絵画、音楽、建築に関心がある。中でも、料理には、関心が高い。おいしさは世界共通。料理はことばが通じなくても伝わるものがある。料理をつきつめていきたい」(イタリア派遣生)

「あるとき、自分は世界のことを何も知らないと思った。インターネットやテレビではなく、海外にふれられる方法として、留学を志した。音楽や美術、建築に興味がある。どうしてそのような表現になるのか、考えるのが好き。日本との文化の違いを比べてみたい。
また、留学は、全員が全員行けるわけではないと自覚している。自分が留学している間、体験していることを伝えたい。体験を聞いて、留学にいきたいと思う人がいたらうれしい」(フランス派遣生)

「中学生のときにアメリカに旅行に行き、移民の多さ、多種多様な違いに驚いた。将来は、国を越えて活動する医療従事者になりたいと思っている。そういう場で働くために、違いに対応できる人になりたいと思い、留学を決めた。さまざまな留学方法を調べる過程で、この奨学金にたどりついた。自分が1人目になることで、他の人にも続いてほしい」(アメリカ派遣生)

「自分は長崎の人口5万人くらいの町に住んでいる。その中で生活するのはもったいない、海外に行きたいな、世界中を飛び回る人になりたいと思った。
自分が暮らす場所では、毎年夏に集会がある。しかし、関東に住むいとこに集会のことを話しても、ピンときていなかった。日本国内でもこんなに違いがあるのなら、日本とアメリカではどれほど違うのかと思う。被爆地のことは、被爆地の人が伝えていかなければならないと思っている」(アメリカ派遣生)

第9期生が留学をした1962〜1963年は、世界が、キューバ危機に揺れた時代でした。当時、日本から唯一の派遣先であったアメリカに留学した派遣生たちは、帰国前に、ホワイトハウスでジョン・F・ケネディ大統領のスピーチを聞いたAFS生でもあります。

「AFS平和の鳩プロジェクト」は、今を生きる若者たちが、豊かな感受性をもって互いを理解しあい、共に、公正で平和な世界を築いていけることを願い、はじまった奨学金プロジェクトです。一生を変える体験だったというAFS体験を、次の世代に提供したいという願いが込められています。

生徒たちは、2022年夏より順次、各地に出発する予定です。
がんばってね、生徒のみなさん!

前期壮行会の様子 →「AFS平和の鳩プロジェクト」 第1期生 壮行会を開催しました


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