これから私に待ち受けていた様々な課題に心を膨らませると同時に張り詰めた緊張感の中、二週間のイギリス留学に私は挑んだ。
都市部のロンドンから二時間弱離れたケント州という少し田舎びた場所で私は自分が期待していた以上のものを習得し、「将来の自分探し」というものに大きく取り組んだ。

そもそも、私が留学に参加するにあたり、掲げていた目標は「異文化交流」。これだけであった。なぜなら、イギリスはヨーロッパの国々と繋がっているため、様々な文化や背景を持つ留学生と出会うことを期待していたからである。
しかし、参加者の八割はベルギー人。到着してすぐ驚きが隠せなかった。
もちろん、イタリアやアイスランド、またポーランドからの留学生も居たが、自己紹介をする度に「ベルギーから来た」という人に出くわしていた私は「八十弱の人の国籍が同じ中、どうやって異文化交流するの?」と内心思っていた。
しかし、二日目以降、クラスや体育の授業、そして様々なアクティビティを通して私は「異文化交流」というものを終始体験していた。
『「異文化交流」をその国の歴史や伝統、また文化をみっちり知ること』だと認識していた私は二週間という短い期間ですべての国の情報を吸収することはできないと思い始めた。
しかし、毎日のアクティビティで初めて話す人との基本的な会話からその人の国の文化を当たり前のようにお互い交換しあっていると途中で私は気づいた。

「私、寿司が大好きなの!サーモンをよく食べるけど、一番好きなのはアボカドが入っている寿司かな!」とある人が言ってきた。

私は「寿司は日本の伝統食だから、日本人はよく食べるよ!ベルギーの伝統食は何?」と返答した。

「ベルギーには定期的に食べる伝統食がないの!でもワッフルやチョコが有名だよ」と彼女はそう返してくれた。

この会話から私は日本との違いを感じ取ることができただけでなく、ベルギーの文化をも吸収することができた。
一つは、日本にアボガドの寿司などない。日本で獲れる新鮮な魚をご飯と一緒に食べることで日本人はそれを寿司と呼ぶ。海外では寿司をアレンジして外国人にも食べやすい形にしていると聞いたことがある。
二つ目は、ベルギーには伝統食がないということだ。日本では、白いご飯、汁物と言った決まった形で食が出されることがほとんどである。これは日本人が昔から食べ続けてきているものである。それに比べ、ベルギーでは決まった形がないため、ピザやハンバーガーなど世界中で手に入るものばかりを食しているのである。
基本的な会話から小さな異文化交流をすることができるのだと驚き、また嬉しくなった。

上記の例を読み、別になくてもよい文化の知識だと感じた人も多いことだと思うが、私はこの留学を通して「異文化交流」というものは決して大きなものでなくてはならないというわけではないと強く思った。
これ以外にも数え切れないほどの文化を交換しあえた。それらは、各国で流行しているゲームであったり、また人口よりもサウナの数が多い理由などの本当に些細で小さなものであった。
しかし、この小さな異文化交流で培った知識が人から人へと繋がり、発信されている。それはその国の伝統を作っているのではないかと私はこの二週間という短い時間の中で学ぶことができた。

「異文化交流」というものに留学に参加する以前にざっくり興味はあったが、自分の進路や将来には関係のないことだと思っていた。しかし、短いスパンの間で吸収した大事な学びが帰国後の私にとって大きなものとなっていた。
もちろん、将来は国際系の仕事に就きたい、外人と仕事がしたいなどの理想像はあったがそれ以上に今の私は他国の文化・歴史・関係性を大学で勉強したいという今までにない大きな目標を掲げることができた。これは、この留学が存在していなければ、私に起こり得ないことであった。

二週間は早いものだった。あっという間に終わってしまう。その中で、自分で決めた目標を毎日の会話から広げていくことがどれほど大きなものでどれほど後の人生に影響するのか知ることができた。
今後、数多くのものに私は影響を受けることだろう。計り知れない何かが私を待っている。

イギリス派遣 後野晶

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