僕は留学生活で色々なことを学ぶことができました。
始めの頃はそれで十分だと思っていたのですが、イタリアの生活に慣れた頃になって、僕がイタリアの人たちに教えてあげられる事はなんだろうかと考えるようになりました。

他の留学生とトリエステで

これは地方出身者の共通の煩いだと思いますが、日本のことを聞かれるときや日本について発表をする集会なんかで、日本の一般論を言えば良いのか、地方のこと(僕の場合は北海道のこと)をいえば良いのかという点が非常に悩ましかったです。
よく聞かれたのは、「日本では雪は降るのか」とか「日本とイタリアどっちが寒いか」というようなことです。
そういう質問に対しては最初の頃は東京のことと北海道のことをそれぞれ分けて説明するようにしていました。ただ二つの違うことを言うと結局日本のことをちゃんとわかってもらえないのではと思って、段々と北海道のことだけを説明するようにしていきました。
そうするとイタリア人には日本は暑い国だというイメージがあるのか、周囲から勘ぐりの眼差しを向けられました。しかし北海道は日本の北にある大きな島だと説明すると、皆凄く興味を持ってくれて、北海道と東京との違いとか、北海道の食べ物、風土、方言、文化などについて頻繁に尋ねられました。
冬の雪景色の写真を見せながら説明するととても喜んでくれて、そういうことができたのはよかったと思います。

ホストブラザーとヴェネツィアに旅行に行ったとき

他にも侍や忍者などの日本の歴史に関することや、アニメや漫画などのサブカルチャーはイタリアでも人気がありました。
「太平洋の奇跡」という映画を家族と見たとき、日本兵が切腹するシーンがあって、なぜそんなことをするのかとホストブラザーに聞かれたときは説明するのが大変でした。
そういった経験を通じて自分の故郷のことを改めて再認識するきっかけにもなりましたし、イタリアと日本の違いを再確認することで僕自身もイタリアに対する興味を深めるきっかけになりました。
この経験は帰国後に日本でイタリアのことを紹介するときや、さらにその先の生活においても、きっと役立つものだと思います。

ローマで他の留学生と

十か月間というのは長いようでも短いようでもありますが、とても有意義な十か月間を過ごせたと思います。
振り返ると懐かしいですが、今でも鮮明に思い出せる人たちや出来事や風景があります。その記憶を大切にしながらこれからも頑張っていきたいと思います。
このような貴重な体験ができたのも留学に行かせてくれた家族、支えてくれたたくさんの方々のおかげです。
ありがとうございました。

AFSどさんこ奨学金 奨学生
AFS 64期 イタリア派遣 楠達也


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