「勉強をやめなさい」。日本では言われることがないのではと思われる今日、私がこの留学で一番異文化を感じたホストマザーの言葉です。
彼女の意としては、勉強するよりも家族との時間を大切にしてほしいとのことでした。

家族で12月にソリをしに出掛けました

日本では近年、周囲の人とのコミュニケーションを取る機会が減っていると思われます。例えば近所の人たちとの会話だけではなく、家族内でも共働きや子どもの塾などで一緒に過ごす時間が減少しており、それが故に孤独死なども増えてきているのが現状です。対してドイツでは日曜日は必ず定休日、定時退社が原則というのもあってか家族と過ごす時間が日本に比べにとても多いです。
その他にも電車内で見知らぬ人と楽しく会話をしたり、バスなどで違反行為をしている子どもには他人であってもしっかり注意をしたりと皆が一体であるように感じました。

雪が積もった日、ホストシスターと写真を撮りに外に飛び出したときの写真

私たちが持っている知識や考え方というのは一度日本をでてみないことにはただの「日本人の視点」でしかありません。日本にいる私たちが抱く常識とは、海外からみれば非常識と捉えられるということもよくあります。つまりグローバル社会に適応していくことが求められるこの時代、「日本人の視点」だけで物事を見るには不十分であるということです。
私自身留学前は、過労死や性的マイノリティに理解が足りない環境、また英語教育などの問題についてばかり考え日本に対して負の印象を感じていました。ですがドイツ留学を通して日本への印象は一変、日本の食文化やアニメなど多くの面で一世を風靡しており日本に誇りを感じております。
もちろん改善すべき社会問題は多くありますが、問題ばかりに囚われず次の世代へこの素晴らしい日本の文化を継承していくこともこれからの課題であると知ることができました。

文化祭のときに現地の友達と

つまり実際に経験してからしか生まれない考え方や知識、感情というものがあるのです。
Wo ich nutze, ist mein Vaterland というゲーテの言葉があります。「社会に役立つための新天地があるのならそこを故郷とすべきだ」という意味です。
留学を通して日本では見ることのできない世界を肌で感じ、ドイツを第二の故郷となし、今後の私の成長だけではなく日本や世界に貢献するための活動を図れるまたとない機会になりました。
私のこの留学に多大な面でご支援頂いた多くの方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

親友とも呼べるほど仲良くなったグアテマラからの留学生

ドイツでの留学生活は、今後の私の将来だけではなく、社会のためにも活かすことのできる貴重な体験になったと考えます。
留学中のみならず多くの場面で私の留学にお力添え頂きありがとうございました。

2018年 ドイツ派遣
AFS65期生/AFSボランティア奨学生 野口杏奈

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