異文化交流、自身のアイデンティティの探求、可能な限りの挑戦など、私を様々な面で成長させてくれたドイツでの10ヶ月間の留学を終えて学んだことがある。それは「勇気を持って一歩踏み出すことの大切さ」、そして「支えてくれる周りへの感謝」だ。ドイツで体験させてもらったものすべてが日本で体験できないものばかりで、常に刺激をもらっていたことを鮮明に覚えている。

私のホームタウンは”ドレスデン“だ。”ドレスデン“は正に「文化」「芸術」という代名詞がハマる美しい街で、教会や宮殿、オペラやコンサートなどすべてがとても有名だ。
私のホストファミリーはベジタリアンだったので、日本にいた頃とは180°違う食生活で生活するようになり、家族全員それぞれが何かしらの楽器を演奏し、さらに合唱もしていたため、私自身文化的な生活や趣味に浸かることができた。私は留学中も今もこの素敵な環境に常に感謝している。これらの一つでも欠けていたら、私の素晴らしい留学生活はなかったと断言できるからだ。
これらの環境は私の留学生活の経験のすべての土台になっていたため、感謝してもしきれない気持ちでいっぱいだ。

この写真はクリスマスにホストブラザーと撮った一枚です。この日はファミリーでパーティーをしたり、プレゼントを受け取ったりしてとても楽しみました。いつもはブラザーみんな揃うことが少ないため、全員揃ったときにはとても賑やかとなりました。

家族との面では、特にこれといった大きな記憶よりは日々の会話や習慣や行動がとても記憶に残っている。自分のお気に入りの記憶は、毎週金曜日に隣人たちと10人くらいで集まり、ドイツの民謡や歌を歌っていた時のことだ。時には雪が降っている中で、時には焚火を囲んだりして歌っていた。その1週間に1回の合唱が私の大きな楽しみであった。
もう一つのお気に入りの記憶は、週に3・4回ほど家族みんなでカードゲームや映画鑑賞をしていたことだ。私はその温かい空間にいることでとても安心でき、その空間自体がとても好きだった。ファミリーは私にドイツの有名なカードゲームをたくさん教えてくれ、私はそれを毎日のように練習していた。映画鑑賞もみんなで椅子に座って映画を観るだけだが、その空間にいたことが私にとっての癒しのようなものだった。時には戦争映画鑑賞後に、家族みんなで自分の考えや、あるシーンを日本人やドイツ人が観たときどんな視点でどのように解釈しそうかなど、興味深い話し合いもした。これらの文化的なファミリーとの記憶は、私の一番の思い出である。

学校や友情関係の面では、私はとても恵まれていた。学校の先生とコミュニケーションをとったり、わからないことがあれば、周りにいてくれた友人に質問などしたりして、常に支えてもらいながら過ごしていたことは強く印象に残っている。
私は留学が始まって約5ヶ月間は、クラスに馴染むことも初対面の人に話しかけに行くことも苦手で常に一人で過ごしていた。しかしある日の体育の授業からクラスメートを含むいろいろな人とのコミュニケーションが格段に増えた。そこで私は、小さなきっかけでもいろいろな人と関係を築くことができると学んだ。
私は留学中、合唱のクラブに所属しており、日々練習を積み重ね、数回のコンサートで歌った経験がある。私はテノールのパートで歌っていたが、人数があまり多くなかったために、よりコミュニケーションをとる必要があった。特に印象に残っているのは、パートごとに分かれてメンバーとともに音を確認しながら歌い方や細かい動作、表現の仕方などを考えた時だ。言語も文化も違う私たちが一丸となって一つの演奏を作り上げていたことはとても新鮮で貴重な体験だったし、この経験は、異なる文化や言語を持つ人とも協力し、一つの目標に向かって努力することの楽しさを教えてくれた。

これは合唱の同じパートのメンバーと最後のコンサートの日に撮った写真です。この日がメンバーと会える最後の日だったので泣きそうになりながらも、最後の合唱を楽しめました。

言語面で私は留学中に大きな成長と多くの苦労を経験した。留学当初は、自分の言語力不足に対する恥ずかしさや、自分がうまく話せないことで相手に気を遣わせてしまうのではないかという不安から、今では喜んで行うようなチャンスも遠ざけていたことが多かった。自分の言語力不足に焦り、このままでは変われないと思った私は、日本語や英語に頼ることをやめ、日本語や英語でのSNSの利用もやめることで、日常生活をドイツ語だけに囲まれた環境へと変え、自分から積極的に人と関わるなど、試行錯誤を重ねた。大変なことも多かったが、その分大きな充実感を得ることができた。
授業では自分の意見を一度は発言することを目標とし、ホストファミリーや友人とも、自分から新しい話題を出して会話をすることを心掛けた。留学当初の私には考えられなかったが、留学の終盤にはクラスメートの前で自分の考えや感想を発表できるようになった。そのとき、外国語が完璧でなくても、伝えようとする姿勢が何よりも大切なのだと分かった。この経験を通して、まず一歩踏み出す勇気が、新しい出会いや成長につながることを実感した。

10ヶ月間のドイツ留学は私の人生の中でも最もかけがえのないものである。異文化交流や新しい環境での生活を通して、多くの喜びや困難、成功や失敗を経験し、その一つ一つが私を成長させてくれた。何か行動を起こす前の緊張感も、一歩踏み出した勇気によって、最後には達成感へと変わり、そしてそれは自分自身を成長させる原動力になった。

これはAFS帰国前オリエンテーションで撮った写真です。留学中に何度も一緒に遊んだ仲の人ばかりだったので、みんなでお別れの直前までいろいろ話したり遊んだりしてとても楽しかったです。このオリエンテーションでは主にドイツ語が使われましたが、自分がドイツ語でもついていけたことで、より自信を持てました。

私は留学生活の中で「勇気を持って一歩踏み出すことの大切さ」、そして「支えてくれる周りへの感謝」を学んだ。私が留学中に得た数多くの経験の根底には「一歩」があった。言い換えれば、たった一歩踏み出すことが素晴らしい経験につながるということだ。そして、それを支えてくれる周りへの「感謝」もとても大事だと気付かせてもらった。「一歩」を踏み出すことができたのは、このような貴重な留学の機会を与えてくださった三菱商事高校生海外留学奨学金関係者の皆様のおかげである。また、現地で温かく迎え入れ、日々支えてくださったホストファミリーや先生方、友人たちやAFSの仲間の存在があったからこそ、私は安心して挑戦を続けることができた。

この留学で得た経験や学びを今後の学生生活や将来にも生かし、留学中に学んだ「勇気を持って一歩踏み出すことの大切さ」と「支えてくれる周りへの感謝」を忘れずに歩んでいきたい。そして、新しい環境や困難な状況にも積極的に挑戦し続けることで、自分自身をさらに成長させていきたい。

三菱商事高校生海外留学奨学金奨学生
2025年・72期 ドイツ派遣 / S.Rさん

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