射殺事件とその後の活動

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1992年10月18日、米国ルイジアナ州バトンルージュ市へ留学した服部剛丈(はっとりよしひろ  AFS39期生)さんは、ハロウィンパーテイの会場を間違え、銃で家主に射殺されました。
その後、剛丈さんのご両親は「米国の家庭から銃の撤去を求める」請願書を皮切りに今日まで  銃規制法の制定に尽力。
また、1993年にYOSHI基金を設立し「銃が生活の中にない日本を体験してほしい」と米国   から日本へ年間留学生(YOSHI 基金奨学生)を招いています。AFS日本協会とご両親が所属する東海 支部はその活動を全面的に支援。
設立以来、YOSHI 基金生は服部剛丈さんの母校   旭丘高校を訪問。10年前からは生徒会主催で「安全で平和な社会をつくるには」をテーマに毎年討論会を開いています。


2016年度YOSHI基金生の活動紹介 旭丘高校での討論会

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写真左から、生徒会長、副会長(司会と書記)、マイロ君、クイン君、通訳

昨年12月21日、2016年度 YOSHI基金生のクイン君(バージニア、16歳、AFS兵庫県支部)は、「銃規制に関しては購入時の人物チェックや、自動小銃などの規制はあるべきだ。寛容でないことと、嫌悪だけを教えられ育った人達が多くいる。そこに手を差しのべ、教育により根本から問題を直すことが大切」と日本語でスピーチ。

もう一人の米国人ゲスト、マイロ君(ニューヨーク、16歳、AFS西三河支部)は、「銃はない方がいいが、米国には銃は人を守るためのものという常識があり、銃を持つことを憲法で守られている。銃を使うときは急所を外さないのが常識」と米国の現実を語りました。

主催者の旭丘高校生たちは、ブラジル、スイス、フィリピンの銃に関する状況を調べ上げ発表。その後、国連などを通じ世界に提言することはできないだろうかと討論。
銃所持を一切やめることは各国の事情で難しいが、犯罪で多くの被害者を出す自動小銃を禁止する、購入者の人物チェック規制をする、銃の使用ガイドブックを作成する、免許制とするなどの提言がでました。

両国の高校生たちは、自国の文化の常識が世界で通用するのかを考え、日本は銃に関しては驚くほど平和な世界であるとあらためて認識したようです。

また心を開いてコミュニケーションをとることが、対立や不幸な事件を防ぐために最良の解決方法と気付くよい機会ともなりました。

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日本-ルイジアナ友好基金の創設者から贈られた記念樹(桜・もくれん:ルイジア ナ州の州花)の前で参加メンバーと

なおクイン君は、12月22日には、米国在名古屋領事館首席領事コバチーチ氏を訪問し、旭丘高校での様子や日本のくらしなどを報告しました。

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左から服部夫妻、コバチーチ首席領事、クイン君、内田 AFS 東海支部長

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