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私はAFSによる1年間のドイツ留学を無事に終える事が出来ました。1年間と言う期間はとても長いようで、いろんな事を感じて学んだこの濃厚な時間はあっという間でした。

私はこの留学中に、いくつものかけがえのない体験をする事が出来ました。特に印象に残っているのは、小さな音楽コンサートでの事です。私が住んでいる村でコンサートが行われ、私は何曲かピアノの演奏を弾くよう頼まれました。しかし、私は極度のあがり性で、それがコンプレックスでした。一度は断ろうと思いましたが、今までの練習の成果を披露できる機会ですし、ドイツという新しい地でコンプレックスを克服出来るかもしれないと、引き受けることにしました。

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しかし、本番は予想以上に緊張してしまい、ミスを連発し最悪の演奏となってしまいました。私は、自分でやると決めた演奏を上手くこなすことが出来なくて情けなくなりました。でも聞いていた人達の反応は私の思いとは裏腹に大好評でした。
明らかにひどい演奏だったのに、なぜ?と驚きを隠せませんでしたが、彼らは「僕は君がミスを3回した事に気づいた。でも君の演奏にはたくさんのエモーションがはいっていたよ」という賞賛の言葉をくれたのです。
ドイツの人達が、目に見えない私の表現を心で感じ取ってくれたことを嬉しく思いました。私はその時はじめて、国によってものの見方はこんなにも違うのだということを肌で感じました。

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また、私にとってかけがえのない存在となったのは、1年間お世話になったホストファミリーです。帰国の前日はホストファザーの50歳の誕生日で、大勢の人たちを招待して、朝まで盛大なパーティーが開かれました。このパーティーは私のお別れ会も兼ねられていて、ドイツに来て出会ったたくさんの人と、お別れの挨拶をしました。その時、言葉もろくに通じないこの場所で、こんなにも多くの人に出会えたことに感慨深い気持ちになり、ようやく日本へ帰る実感が湧いてきました。
次の日空港へ向かい、いよいよホストファミリーとの別れの時になりました。途中の渋滞で遅刻が確実になってしまった時は不安と心配でいっぱいの私でしたが、最初にホストファザーに抱きしめられた時、自然と涙が溢れてきました。ホストファザーは「Ich liebe dich」(愛している)という言葉を、ホストシスターからは手紙を、ホストマザーからは頬にキスを貰いました。一つ一つに愛情が込められていて、感謝と寂しさで胸がはち切れそうでした。この離れた地にも私の事を大切に思ってくれる人達がいるというのは、本当に幸せなことだと思います。

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留学中、他にも楽しいことや辛いことはたくさんありました。それでも私はこの1年間という時間で、一生ものの財産を貰う事が出来ました。高校留学をして本当に良かったと心から思います。このような素晴らしい経験の機会を与えてくださったAFS関係者様、そしてみちのく応援奨学金に心から感謝いたします。

2013年1月 ドイツ派遣
AFS59期生/みちのく応援奨学生 奥野怜子

▼留学中のレポート「ドイツで自分の世界が広がる」
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