「何故タイを選んだの?」
タイに留学することが決まってから、何度も同じ質問をされた。
私がタイを留学先として希望した理由は日本やアメリカと全く異なる文化を経験してみたかったからである。そしてタイ語の学習の他に、宗教が人々の生活にどのような影響を与えているのかを自分の目で確かめてみたいとも思っていた。
タイ人の家庭にホームステイをしながら、現地校に通うことで文化の多様性を知り、違いを尊重し理解するように努めることが10ヶ月間の私の課題だった。

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タイは「微笑みの国」として世界中に知られているが、なぜそのように呼ばれているのか、とても興味があった。10ヶ月間の留学生活を通してその理由を自分なりに考えてみた。
「微笑みの国」はにこにこして人懐っこいタイ人の性格に由来するものだとまず浮かんだ。

実際に暮らしてみると、学校でマイノリティーへの差別がないこと、学校帰りに高校生でも物乞いの人に募金をすること、いつも食べ物を分かち合うこと、ホストファミリーのお布施(タンブン)の習慣を見て、その背景には仏教が日々の生活に浸透していることを肌で感じることができた。
もともとは輪廻転生のためによりたくさんの徳を積もうということだったかもしれないが、それが自然と生活の一部となり、誰もが笑顔で過ごすことができる空気を作り出したのではないのだろうか。

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留学中、この「微笑み」に私は何度も助けられた。学校に通い始めた頃、言葉も分からず不安でいっぱいだったが、みんなが笑顔で話しかけてくれて、仲良くなるきっかけを作ってくれた。
ホストファミリーには笑っていると悪いことが起きないと教わった。日本に帰ってきても、笑顔を忘れずに他の人に対して優しくありたいと思う。

2016年3月 クンサナン奨学生
AFS62期 タイ派遣 / 上田 夏子

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