帰国して一か月が経ちました。留学直後は達成感でいっぱいでしたが、今は写真フォルダを開くたび、アルゼンチンでの日々が夢だったかのように感じます。この一年間で、人との関わり方や価値観について多くを学びました。

到着当初は、唯一のアジア人留学生という環境で、不安が山々でした。しかし、現地の子達やホストファミリーは常に温かく迎えてくれました。
特に、留学生オリエンテーション後に、派遣先で知り合ったフランス人留学生が家に招待してくれ、一緒にクレープを食べました。アルゼンチンでは、親しくなった人を食事やおやつの時間に招くことが日常的です。 そのとき彼女から「留学生みんなずっとあなたの到着を楽しみにして待っていたのよ。あなたは留学生の星だよ。」と声をかけてもらったことは、異国での不安を大きく和らげてくれました。その言葉は一生心に残り続けると思います。
また、内気な性格もあり、最後までクラスに馴染めていないのではないかと思っていました。それでも、彼らはいつも隣にいてくれました。スペイン語が聞き取れないときには、私が理解できるまでゆっくりと説明してくれました。普段はあまり話さないクラスメイトも、写真を撮るときには真ん中に入れてくれたり、少し過剰なくらい私の計算力を褒めてくれたりしました。そこには、彼らなりの気遣いと愛情がありました。

この留学を通して、ホストファミリー、学校の友達、スポーツクラブの仲間、ホストファミリーの知人や親戚など、さまざまな人と出会いました。どの人とも、会話は挨拶と「元気?」という問いかけから始まります。その何気ないやりとりの中に、相手を気にかける文化と温かさを感じました。辛いときには話を聞いてくれ、カフェに連れ出して励ましてくれました。元気なときには一緒にTikTokを撮って笑い合いました。彼らは互いを大切にし、気分や感情を共有しながら日々を過ごしていました。

そして、今回の留学で特に印象的だったのは、アルゼンチンの家族中心の文化です。家族との時間は何よりも大切にされており、週末には親戚が集まり、長い時間をかけて食事を楽しみます。誕生日や記念日だけでなく、特別な理由がなくても自然と家族が集まり、会話を交わします。
私はホストファミリーの食卓でその文化を実感しました。食事は単なる栄養補給ではなく、一日の出来事や感情を共有する大切な時間でした。誰かが元気がないときにはすぐに気づき、理由を尋ね、励まし合います。家族とは血縁関係だけでなく、「支え合う存在」であるという価値観を学びました。
また、家族ぐるみで友人を受け入れる温かさも印象的でした。ホストファミリーの親戚や友人も、私を一人の家族のように迎え入れてくれました。この経験を通して、人との距離の近さや、感情を率直に表現することの大切さを学びました。
留学先の地域から首都のブエノスアイレスへ向かうバスに乗るとき、ホストファミリーや友達は、荷物が重量オーバーになるのではないかと思うほど、たくさんのお土産や思い出の品を持たせてくれました。そのとき初めて、これほど多くの愛を注いでもらっていたのだと実感し、胸がいっぱいになりました。
本留学を通して、語学力だけでなく、多様な価値観を受け入れる姿勢や主体的に関わる姿勢を身につけることができました。
今後はこの経験を活かし、国際的な環境で活躍できる人材となれるよう努力してまいります。最後に、本留学の機会を与えてくださり、支えてくださった三菱商事の皆様に心より感謝申し上げます。
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2025年・72期 アルゼンチン派遣 / N.Sさん
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