射殺事件とその後の活動

yoshi-hattori

1992年10月18日(日本時間)、米国ルイジアナ州バトンルージュ市へ留学した服部剛丈(はっとりよしひろ AFS39期生)さんは、ハロウィンパーテイの会場を間違え、家主に射殺されました。
その後、剛丈さんのご両親は「米国の家庭から銃の撤去を求める」請願書を皮切りに今日まで銃規制法の制定に尽力。
1993年にはYOSHI基金を設立し「銃が生活の中にない日本を体験してほしい」と米国から日本へ年間留学生(YOSHI基金奨学生)を招いています。AFS日本協会とご両親が所属するAFS東海支部はその活動を全面的に支援。
設立以来、YOSHI基金生は服部剛丈さんの母校 旭丘高校を訪問。2007年からは生徒会主催で「安全で平和な社会をつくるには」をテーマに毎年討論会が開かれています。

▼寄附 > YOSHI基金


 2018年度YOSHI基金生Ms. Zahra Najafiの紹介

オハイオ州出身の16歳女子年間生、イスラム教を信仰。東京在。178センチの長身で、ヒジャーブ(イスラム教信仰を示すスカーフ)を頭に巻き外出する。向上心が強く、自国で半年日本語を学んだだけだが、訪問先の旭丘高校や名古屋米国領事館、名市大では、ほぼ日本語で通した。
名古屋では、服部宅に3泊4日し、名古屋城、熱田神宮、日本画や映画鑑賞などを楽しんだ。

射殺事件より26年、旭丘高校生徒会主催による交流会 12月18日

参加者

正面は生徒会。右側は旭丘高校生。左側はAFSの留学生

旭丘高校からは15名。外部からは13名で次のとおり。愛知県猟友会名古屋支部支部長の中野一路さん、YOSHIの会からは3名(うち名市大生1名)、AFSからの留学生はザーラに加えて東海支部から3名と北支部から1名の合計5名、AFS東海支部員支部長の吉村を含めて4名。

冒頭のあいさつ 東海支部支部長

東海支部支部長の吉村が、AFS本部と東海支部はYOSHI基金の活動をサポートしていると報告。

旭丘高校生徒会副会長丸野君の事前学習発表 米国の銃、スイスの銃規制

「米国では、銃規制を強化しても、今のままでは銃による事件を防ぐことは難しい。」という見解と「スイスの銃とアメリカの銃の違い」を調べ発表した。スイスでは、銃は国の平和を国民が守るためのものであり、厳しい銃規制と銃の使い方の学習により事件が少ないことを配布したプリントで詳細に述べた。

ザーラのスピーチ 米国と銃

アメリカ人は(銃を許可する)憲法を大切に思っている。それが銃規制の進まない原因とし、法律より先に銃の(安全)教育が必要と述べた。またフロリダの高校生が銃規制を訴えて目覚ましい活動をしているが、まだ自分(ザーラ)は銃に関して考えが定まっていないとも述べた。

(猟友会) 中野一路さんのスピーチ 日本の厳しい銃規制

日本では、「自衛のため持つ」と発言したことが発覚すれば、その時点で、狩猟やスポーツ用銃の所持は許可されない。所持するためには身元調査があり、周りの反対があると所持できない。また3年に1度の許可更新があるなど大変厳しい銃規制があると、猟友会に所属し銃砲店を経営する立場から発言。

フリートーク

銃犯罪には根っこに差別や貧困もある、米国では銃の事件は日常的な現実、米国人が建国の理念から銃を許可する憲法を誇りとすることは理解できる、日本には銃は元来悪いものだという認識があり持とうという発想がないことに驚く、などいろいろな意見が出された。今回は、事前学習発表やスピーチを通じ、米国、スイス、日本の銃規制を詳細に比較できたことで、多くを学び考えることができた。

記念樹(桜と木蓮)の前で。前列右端インドネシアのニバ、フィリピンのマイ、コスタリカのスイ、米国のケーレブ、服部夫妻、ザーラ。後列左から2人目生徒会副会長丸野さん、4人目会長の島村さん、5人目議長の谷さん、7人目猟友会の中野さん、後列右端は松井支部員、YOSHIの会会員清水、吉村支部長、4・5人目は山田・水野各支部員。

Gary Schaefer在名古屋米国領事館首席領事と面会 12月19日

ザーラ、AFS名古屋地域本部の古嶋加奈子、服部政一・美恵子の4名で首席領事Gary Schaeferさんに面会。氏はALT(英語助手)として岐阜県で教えた経験や、ブラザーミュージアムはお勧めなどと、きさくに名古屋観光スポットを紹介。
ザーラは、今の職業をSchaeferさんがいつ選んだかなど質問。また銃規制に関しては「法律も大事だが教育が大事」と意見を述べた。
古嶋は、来年のYOSHI基金生は、例年の年間プログラム1名に加え、語学留学枠(夏季1か月)でマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校から2名が来日する予定であると領事に報告した。

名市大(名古屋市立大学)の平田ゼミ(平和学)に参加 12月20日

ザーラは、くつろいだ様子でスピーチをし、デイスカッションに参加。MCの学生さんが日本語と英語で巧みにリード。ライフル協会のトップは(銃が手放したくないなら、)徹底した安全教育を所持者に義務づけるべきなどと、具体的な意見がでた。ザーラは銃教育の必要性を発言。銃は日常の社会生活にないほうがやはりよいという強い意見もあった。

▼寄附 > YOSHI基金


支部へのお問合せ

(公財)AFS日本協会 東海支部
[email protected]


この記事のカテゴリー: AFS活動レポート

この記事のタグ   : YOSHI基金 東海支部