6月はプライド月間です。私たちにたくさんの気づきと感動を与えてくれた、一人の留学生を紹介しましょう。

オーストリア出身のヨナは、2016〜17年、日本に留学したAFS生。2019年に再来日し、ホストファミリーやボランティアと再会を果たしました。

留学中、ヨナは自身のセクシュアリティを口にすることはありませんでした。日本再訪の旅によって、ヨナは改めて、自分が「ヨナ」として周囲の人々に愛されていたことを知ったのです。


レインボーフラッグのAFSTシャツを着たヨナ

AFSの交換留学から2年後、私は再び日本を訪れました。この訪問では、その後私の大切な友人となった元支部長と昼食を共にしました。私たちは、支部の留学生のこと、アイデンティティと自分自身について学ぶことについて、議論しました。

私の留学願書と写真を見た時、彼女は、私がクィアかトランスか、あるいは自分のアイデンティティを探っているのではないかと思ったそうです。

でも、支部のボランティアの人たちは「ヨナはヨナでいい」と言ってくれ、ありのままの私を愛してくれました。だから、支部長だった彼女も、私のセクシュアリティについて、何か対処しなければと思ったことはなかったのだそうです。

カミングアウトは必要なかった

留学中、ホストファミリーとセクシュアリティについて話し合ったことはありませんでしたし、カミングアウトの必要性を感じたこともありませんでした。

ある夜、テレビでフィギュアスケートの男子ショートプログラムを見ていたときのことです。日本は非常に競争が激しく、当時トップ2の出場者は日本人でした。

ホストマザーが「一人は本当にきれいでかわいいと思う」と言ったのです。私は「もう一人の方がずっとハンサムだと思う」と言いました。それだけのことでしたが、それ以来、私は緊張したり心配したりすることが、一切なくなりました。

「いつでもここに戻っておいで」

ホストファミリーは、(私が日本を再訪する)数か月前にオーストリアを訪れていました。私のボーイフレンドには会わなかったものの、FacebookやInstagramで彼を見かけていました。不思議だとか変だとかいうコメントは一切ありませんでした。

ホストファミリー宅で留学中に使っていた部屋には、今でもドアに私の名前があります。「パートナー同伴でも、一人でも、いつでもここに戻っておいで」と言ってくれる、愛情あふれるホストファミリーに出会えて、本当に幸せです。

帰国の途につくヨナを見送る、ホストファミリー。「いってきます!」と元気に旅立ったヨナは、2年後に「ただいま!」と里帰りしました

ヨナ(オーストリア出身、2016年度 AFS年間プログラム生) 2020年10月執筆


ヨナとAFSの旅には、後日談があります

2022年5月、ギリシャで開催されたAFSネットワーク会議で、私たちはヨナと再会しました。アクロポリスの丘の上で、日本語で声をかけてきたヨナは現在、AFSオーストリアのボランティア兼理事として積極的に活動しています。

流ちょうな日本語で、職員にあいさつしてくれたヨナ

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