射殺事件とその後の活動

1992年10月18日(日本時間)、米国ルイジアナ州バトンルージュ市へ留学した服部剛丈(はっとりよしひろ AFS39期生)さんは、ハロウィンパーテイの会場を間違え、家主に射殺されました。
その後、剛丈さんのご両親は「米国の家庭から銃の撤去を求める」請願書を皮切りに今日まで銃規制法の制定に尽力されています。
1993年には、YOSHI基金を設立し「銃が生活の中にない日本を体験してほしい」と米国から日本へ年間留学生(YOSHI基金奨学生)を招いています。AFS日本協会とご両親が所属するAFS東海支部は、その活動を全面的に支援しています。
設立以来、YOSHI基金生は服部剛丈さんの母校である愛知県立旭丘高校を訪問。2007年からは生徒会主催で「安全で平和な社会をつくるには」をテーマに毎年討論会が開かれています。

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2024年度YOSHI基金生 レクシー・マグナソンさんの紹介

アメリカ、ワシントン州出身。12歳の時日本に興味を持ち、独学で勉強をスタート。1年後からオンラインで日本語のレッスンを受ける。キャンプやバイキング、ダートバイクなどアウトドアなことが好き。水泳やレスリングにも打ち込んできた。選考を経て、2024年のYOSHI基金生として来日。

旭丘高校生徒会による留学生との交流会

愛知県立旭丘高校生徒会により、12月19日に交流会が開催され、23名が出席しました。AFSからはYOSHI基金奨学生レクシーさんを含め7名の留学生が参加しました。中日新聞、朝日新聞、中京テレビ、NHKなどからメデイア取材がありました。

記念樹の桜の樹の下で集合写真

会の冒頭、YOSHIの会の代表平田雅己さんより、2007年以来、交流会を開催していただいていることへのお礼と、童話「アリッサとヨシ」の第2版が出版されたことについてご紹介がありました。
補足:童話「アリッサとヨシ」第2版は、挿絵を旭丘高校美術科の4名有志が引き受け高校生版としてリニューアルされました。学校や図書館に200冊限定郵送料のみで寄贈予定とのことです。
希望者は YOSHIの会 [email protected] までご連絡ください。

2024年12月20日付「朝日新聞」 ※許可をいただき掲載しております

YOSHI基金生レクシーさんのスピーチ

レクシーさんは、米国疾病予防管理センター(CDC)のデータを用いてアメリカにおける銃関連の殺人件数を紹介したのち、合法的に入手された銃による乱射事件の例や身近な学校への銃の持ち込みがあったこと、学校で乱射事件が増加している実態などに触れ、銃規制に関する法律の制定について持論を展開しました。
交流会参加者からは「挙げられた事例がとても身近で起こっていた事例で衝撃を受けた」、「母国ではおそらく言いにくいことも素直に表現してくれたこと感銘を受けた」、「僕らよりも日本語が上手く、アメリカの知り得ない実情や日常生活について非常に興味深かった」などの反応がありました。

グループに分かれてのデイスカッション

旭丘高校の生徒と留学生は4グループに分かれ、銃規制の具体的な法律について話し合い、最後にグループごとに意見を発表しました。免許制の規制強化や、大型銃の規制強化、罰則の強化などが挙げられていました。

デイスカッションの結果は、各グループが紙にまとめて発表しました

参加者からは「英語、日本語をまじえてはなすのは新鮮で楽しかった」「様々なグループが違う視点を持っていてよかった」などの感想が聞かれました。また「高度な内容のテーマにもかかわらず英語や日本語で円滑に話し合いをつづける皆さんの姿が印象的だった」「後半になるにつれて生徒の方の議論が活発になっていてすばらしいと思いました」などの感想もありました。

2024年11月27日 名古屋米国領事館にて

在名古屋米国領事館首席領事アンナ・ワンさんと面会しました。AFSからは、AFSの成り立ちやYOSHI基金について説明しました。ワン領事からは「米国の人は銃規制を他人事のように考えている。自分の問題と提起してくれるのはとても良い」とのご発言をいただきました。

左から藤澤(AFS)、服部美恵子、YOSHI基金生・レクシー、ワン首席領事、服部政一、松井源治(敬称略

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