11か月の留学生活を終え、先週コスタリカから帰国しました。その日、なんと札幌市はコスタリカと約40度差の-12度。帰国の2日後から、毎朝の雪かきに追われコスタリカとは似ても似つかない故郷で異文化体験中です。

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学校からもらった賞状と盾

コスタリカでは沢山の大切な思い出ができました。学校では鼓笛隊や伝統舞踊グループなどに入り、充実した日々を過ごしました。始めから仲間として私を受け入れてくれ、色々と助けてくれた彼らにとても感謝しています。
また独立記念日の9月15日には、異文化交流に積極的に貢献したということで、表彰していただきました。思いがけないサプライズにとても嬉しく、誇らしい気持ちになりました。そして感謝の気持ちでいっぱいでした。忘れることのできない大切な日です。

私がコスタリカを選んだ理由の一つに自然の豊かさがありましたが、北海道とは全く違う自然環境に驚きの連続でした。学校をハチドリが飛び回わり、野生のナマケモノ、ウミガメ、アルマジロなども見かけました。さらに念願であった漫画「火の鳥」のモデルとされる幻の鳥ケツァールにも出会うことができました。

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幻の鳥ケツァールを探しに行きました

また一人っ子の私にとって、一番大変だったのはホストシスターとの関係でした。一つ年下の妹とは一年中気まずい毎日を過ごしました。私にとってその妹はホストファミリーの中で一番長く時間を過ごす人でしたが、16歳ながらほぼ全ての家事をこなす妹に劣等感を感じ、話しかけても生返事、いつも不機嫌そうな顔をした彼女におどおどする毎日でした。
その中で私の支えになり続けてくれたのは私のコンタクトパーソンの家族。その夫妻は私を実の娘のように扱ってくださり、私も両親のように慕っていました。一緒に住んだこともないのに家族と呼べる存在ができたことに驚くとともに、やはりとても嬉しく思っています。
そして、結局打ち解けられなかったと思っていた妹とは空港で2人で大泣きしながら別れることができました。お互い心地の良い一年は過ごせなかったかもしれません。しかし、最後には相手との別れを惜しむことができたことが、留学生活最後のそして最高の思い出です。
次に再会するとき2人であの気まずかった日々のことを笑って話せれば嬉しいです。

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帰国の際 空港で家族と

留学を終えて日本に帰国しても、私がまだよくわからないことがあります。それはコスタリカが好きか、嫌いか。
この1年間行く前は想像もしなかった彼らの様々な面を見てきました。その国民性には好きになれるところもありましたし、未だに受け入れ難いところも多くあります。コスタリカ人の楽天的で寛容な所は好きですが、その時間感覚や責任感の無さはとても好きになれるものではありません。そういった所ばかり見え、彼らが嫌になった時期もありました。しかし、コスタリカ人にはそのどれもが欠かせない要素だと気がついたとき、理解できるところも、できないところも全てひっくるめて「コスタリカ人」なのだということを考えるようになりました。
留学前は「相互理解」とは字の通り、相手の文化や考え方を「理解すること」だと思っていましたが、今私が考える「相互理解」というのは「相手をありのまま受け入れること」です。相手をよく知り、ありのまま受け入れること 簡単なようでとても難しいことです。

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クラスの友達と

留学中に、在コスタリカ日本国大使館を訪問することができたのですが、偶然にもその時対応してくださった大使館の方は札幌出身でした。私と同じどさんこが実際に世界で活躍する姿を見られたことはとても良い刺激になりました。
この1年で学んだ多くの事を活かして、人と人との交流を大切に北海道、日本、そして世界を繋ぐ架け橋となりたいです。

2013年1月 コスタリカ派遣
AFS59期生/AFSどさんこ奨学生 古里奈穂子

▼留学中のレポート「コミュニケーションに大切な表情と質問力」
▼寄附 > AFSどさんこ奨学金

▼高校生・10代の年間留学プログラム
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