私がこの5ヶ月間大切にしてきたことはチャンスを無駄にせず挑戦することです。建築学生として、都市部に派遣されたことを利用し積極的に街並みや建物を観察、文化施設で学習、現地住民と話しました。

秋休みには400kmを1人旅し、原風景を探求したこともありました。その中で沢山の経験、人、考えに出会いました。中でも印象に残っている出来事があります。

日本でも近年LGBTQ+に対する議論が活発化しています。私は「愛に決まった形はなく、2人が幸せであることが最優先事項である。」そう考えていた中で、フィンランドで初めてレズビアンのカップルに出会いました。このカップルは2歳の女の子とお腹の中の赤ちゃんを2人の子供として育てています。2人が家事、育児を分担して行なっている姿をみて女性同士だから分かり合えること、うまくいくこともあると感じました。

その後、「人生のパートナーとはお互いの事を理解し尊重し会える関係でありたい。しかし『男と女は分かり合えない』という人もいるように、性的に魅力を感じる相手とわかり合えないことも起こり得るのではないか」とも考えるようになりました。
歴史を遡れば、元々は“ムラ”全体で子育てをいたように地域や家族の助けがある中で子供が成長できました。だが実際、日本社会の中で家庭は孤立状況にあります。育児に孤独感を感じている人も少なくありません。恋愛対象とは別の、心から信用できる人を人生のパートナーとして暮らしていくという選択肢もあるのではないかと思いました。

それと同時に、建築学生として課題も感じました。建築空間単体としては共同空間を持つ世帯用集合住宅などが考えられますが、もっと時間をかけてアイデアを成熟させていきたいです。

最後になってしまいましたが、奨学金というチャンスを与えてくださった皆様に心から御礼申し上げます。残りの5ヶ月間、物事を自分なりによく考え、次の世代を担う者として社会問題解決の糸口を探していきます。

東海東京財団留学奨学金奨学生 2019年・AFS66期生
フィンランド派遣 /大島 英美里

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