Terima kasih. インドネシア語で、ありがとうと言いたいときに使われる言葉です。しかし、意味は日本語のそれとは大きく異なります。受け取り、渡すという意味です。なぜこのような意味なのでしょうか。

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インドネシアの北スマトラの中心都市、メダンというところに私は一年間留学しました。インドネシアは多くの民族が混在している町ですがなかでも有名なのはバタック人です。口調が荒いことで有名なこの人たちに初めはとても戸惑いました。日常会話がまるで怒っているかのように聞こえるのです。初めは意味もわからなかったので、本当に怒っているのかと思いました。

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学校に通い初めて一週間、私はチフスにかかり一週間入院しました。下痢と嘔吐を繰り返し自宅で倒れたのでした。当時旅行していた両親に代わりホストブラザーが付き添い面倒をみてくれました。その時、クラスメイトが全員お見舞いに来てくれました。その時インドネシアの国民性である優しさを実感しました。
学校で授業の内容が分からずに戸惑っている時は優しく教えてくれ、休み時間は購買に行くのへさそってくれました。つたない英語を話す私にインドネシア語を教えてくれました。一人で行動することがあまりないインドネシアにおいていつも友達が気を使ってくれたので、寂しさを感じることは少なかったです。
学校は先生がよく来ません。先生がいないと授業中に映画鑑賞をします。時間にルーズと言われるインドネシアですが、学校は比較的厳格です。学校によっては遅刻をすると靴を没収されます。また、教師と生徒の仲が非常によいです。SNSで連絡を取り合う人もよくいます。

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メダンはなかなかに発展した街で大きなショッピングモールや工場が立ち並ぶところですが中には昔ながらの町並みもあります。例えば、毎週水曜日私はホストファミリーが運営していた無料の児童館のようなところにいっていました。そこは車一台がやっと通れるくらいの道路にヤギや牛、鶏が放し飼いされているようなところです。
その児童館は貧しい子供たちのための学校でお昼ご飯と栄養剤を支給しています。子供たちは触ったら折れてしまいそうなほど細い体をしています。ですがその実、彼らはとても強いです。家業を手伝い毎日祈り勉強し無邪気に遊びます。彼らの夢はお医者さんであったり警察官だったりするのです。
彼らを見ているといかに自分が普段適当に生きているか、自分の環境がいかに恵まれているのかを考えさせられるのです。

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留学中、多くの人に出会い支えられました。そうでもしなければ一年間を無事に終えることはできなかったでしょう。ホストファミリー初め多くの方の無償の愛を私は受け取ってきました。私にはまだ返せていない恩がたくさんあります。
でも私が帰る日に、Saya akan rindu kamu(あなたがいなくなって寂しくなるよ。) と親友が泣きながら言ってくれて本当に嬉しかったです。

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インドネシア人が受け取り返すものとは厚意だとおもいます。あなたの厚意をありがたく受け取って、いつか恩返ししますという意味が込められているのではないでしょうか。留学中私はたくさんTerima kasih. といいました。みんなからもらった厚意を今後の人生に生かし、今度訪れるときに恩返しをしたいです。

2015年7月 インドネシア派遣
AFS61期生/みちのく応援奨学金 笠原緑子

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