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イタリアに来て5ヶ月が経とうとしています。時間が過ぎるのが本当に早く感じます。最初の頃は、10ヶ月後日本に帰ることを待ち遠しく感じていましたが、今はそんな気持ちよりも、ここでの生活のあと5ヶ月、得られるもの全部吸収して帰りたいという気持ちのほうが強いです。

生活にも家族にも慣れてきて、イタリア語も大分できるようになってきて、最近は人にすごく興味があります。話しているうちにその人の知らない部分がわかって、共感できたり、新しい考えが発見できたり、そういうのが面白いんです。学校での会話も、国に関係なく話の内容はたいてい同じで、そういう何気ない会話を交わすことを今は大事にしています。
ただ、理解できるようになったのは最近のことで、最初の4ヶ月は本当に苦しかったです。言語の大切さを知り、勉強の大切さを知りました。留学準備を怠り、行けばなんとかなると思っていましたが、実際ここに至るまでが本当に大変で、周りのホストファミリーに一番迷惑をかけてしまいました。留学準備は前もってきちんとすることを次世代のAFS留学生におすすめします。

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イタリア人は、本当によく喋り、またよく食べます。ご飯を食べることが、イタリア人にとっては大事で、また味も大事にします。すごくお腹が空いていても、おいしい料理を友達や家族と一緒に楽しく食べる事のほうが彼らにとっては大事なんです。そしてまた、お昼や夕食は食べることと同時に会話を楽しむことが目的でもあります。食することを楽しみながら、会話も楽しむ。大体2時間から2時間半はかかります。イタリア人は、口だけじゃなくて、顔や手も使って会話をします。イタリアのご飯の時間は賑やかです。

イタリア人は人懐っこく、優しいです。挨拶代わりにハグ、両方の頬にキスをします。最初は慣れませんでしたが、今は自分の気持ちを体で表現するっていいなと感じます。ハグが好きになりました。そして、初めて会った人でも、普通に話しかけてくるし、誰かが手を貸して欲しい時、すぐに手を差し伸べてくれます。よくある会話が、バス停で「このバス通りましたか」「いや、私もそのバスを待ってるんです」というような会話です。日本だったら、周りが他人のような感覚だけど、イタリアは助け合って生きているという感じで、人と人との距離がとても近く感じます。

イタリア人は、感情を全部隠さず出します。正直最初は苦戦しました。濁す言葉とか、柔らかい言葉とかがイタリア語にはなくて、直接グサッとくることもよくあります。でも、その分、日本にある言葉の勘違いのようなものがありません。多分私も今、前より気持ちを表に出しているかもしれません。難しいのは、わがままと自己主張の境界線です。日本ではわがままととられる行為でも、ここでは自己主張としてとらえられたり。いま自分で模索中です。

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私はイタリアに来る前、イタリアの文化はイタリア人が創って、イタリア人が生活していると想像していました。でも実際は、違いました。イタリアにはイタリア人だけじゃなくアフリカ人もアジア人もいます。皆助けあって生きています。そして、あるイタリア語の先生が、「イタリアはそれぞれの街の雰囲気が全部違う。イタリアは、色んな国の文化、色んな国の人々から影響を受けてできた国なんだよ」と私に教えてくれました。とても感動しました。私は、この話を聞いたあと、国と国との関係性について考えるようになりました。また、イタリアに来る前よりももっとイタリアという国に興味をもちました。

ここに来て、自分が思った以上に弱いこと、そして周りの人たちの大切さに気づきました。イタリアは本当に家族や友達との時間を大事にするので、なおさらその大切さに気づきました。私は、日本では学校と部活ばっかりで、家族との時間を疎かにしていたと思います。留学できたのは両親のおかげだから、あと残り5ヶ月、一日一日を大事にして、ここで得られるもの全て吸収したいです。そしてもっと人と繋がりたいです。

こんな貴重な体験をさせてくれた、両親、そしてAFS日本協会、支援してくださったみちのく応援奨学金の皆様に感謝します。

2013年2月 イタリアより
AFS59期生/みちのく応援奨学生 箱崎朱夏

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