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一番の友達だったドイツの留学生と

イタリアから日本に帰国して、早三週間が経ちました。三週間前は、カラフルでおしゃれな一人部屋のベッドで寝ていたのに、今は小さい居間に布団を敷いて、母の隣で寝ています。まだ、夢を見ているような気分です。

私は、イタリアのリミニという町で10ヵ月過ごしました。リミニはアドリナ海に面している町で、家から10分の所に海があります。学校が終わってから1ヵ月間のバカンスは、毎日のように海に行っていました。だから日本に帰ると、第一声で“黒い!!”と必ず言われます。

日本に帰国して改めて私の留学を思い返してみると、本当に色々なことがあり、全て思い出せません。私は日記を毎日つけていたので、今はそれを読み返し、思い出しては母に話しています。
一番苦労していた時期は、やはり3~6ヵ月目の時。異文化の壁と言語の壁との両方に当たっていた時期で、日記のページにはよく“昨日より明日一歩進んだ自分になる”とか“piano piano(イタリア語で焦らずにゆっくりという意)”などと書いていました。
あの時の辛い気持ちは一生忘れません。しかし、不思議なもので、そこを超えると全てが楽しくなりました。最初は異質であった自分が、異文化を理解し素直に受け取ることで、自分がイタリア人の様になっていくのを感じることができたからです。バス停や電車の中でイタリア人に疑いなく話しかけられることは、私の中で本当に言葉にならないほど嬉しいものでした。

留学生活中で忘れられない出会いは、同じAFSの留学生です。帰国した今でもfacebook を通じて連絡を取り合っています。
彼らは私にとってかけがえのない仲間です。辛い時、楽しい時、嬉しい時、いつも一緒にいたのは彼らでしたし、悩みを分かち合い、共有し合える本当に素敵なグループでした。
世界各国から色んな人が集まっている団体で、こんなに相手を思いやり、一致団結したグループはきっとどこを探してもいないと思います。世界平和も夢じゃないのではと思ったほどです。

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ホストファミリーと帰国前に近くの海へ

彼らとコミュニケーションを取るうちに面白かったのは、彼ら一人一人の性格はもちろん、それぞれの国の特徴を見ることができ、また、その国がどういう国で、今現在どういう状況なのか、リアルタイムで知ることができました。例えば、タイだったら、タイの留学生の子からタイ語教室を開いてもらって、ドイツの留学生の友達と一緒にタイ語を習ったりしました。そこから、タイ語はタイ語独自の書体で書き表すが、実は読み方はアルファベットであったり、日本語と似ている言葉がいくつかあったり、日本とタイは場所的には近いのに知らなかったことがたくさんあって、とても勉強になりました。
また、私の一番近い存在だったドイツ人の留学生の友達は、私にドイツの歴史を教えてくれました。特に第二次世界大戦について、一番深く討論しました。世界史について深く外国の子と討論すると、違う視点から歴史を見る事ができてとても面白かったです。
最も驚いた事は、ドイツ人はヒトラーを嫌っているということ。彼らと話をすると、世界の学校のように感じて私はいつも何かしらを吸収することができ、刺激をもらっていました。
しかし、こういう経験と同時に私は、日本という国をあまり知らないということにも気づきました。私も色んな質問をされましたが、答えられなかったものもいくつかありました。“禅って何?”“茶道は具体的にどういう手順で行うの?”少し情けなくなりました。

帰国して、今初めて、日本という国に関心を持っています。宗教のことや、政治のこと、外に出なければ疑問に思わなかったことが今とてもはっきり見えています。また、日本の素晴らしい部分というのも、今少しずつ分かってきています。これからは、自国についてもっと学んで、日本人としての誇りを持ち続けたいです。こんな素敵な体験は、私の人生の財産になりました。この経験をベースに、また新たに自分の人生に進んでいこうと思います。

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AFS東イタリア地方の仲間

AFS日本協会をはじめ、みちのく応援奨学金、母、親戚、そして現地のAFS、ホストファミリー、皆さんなしではできませんでした。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんのサポートを本当にありがとうございました。


2013年8月 イタリア派遣
AFS59期生/みちのく応援奨学生 箱崎朱夏

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