ヨーロッパの中心かつチョコレートの産地と聞き飛び込んだベルギー。多様性に溢れたと聞いたこの国ではどんな風に人が過ごしているのか私は興味津々だった。どんな違いを発見できるのか、どんな人がいるのかとばかり考えていた。
が、その前にみんなが何を言ってるのかほぼ理解出来なかった。何より辛かったのは、バックボーンを話した時に反応がなかった時。
「日本では学校にクラブがあって、そこも学生生活の楽しみなんだよー」などと言ってみても、「Ah 」で会話が終わる。違いなどに興味があるのも自分のみで、相手から刺激を受け取ることもできない。よく寝室で泣いた。

とりあえず、目に入る刺激をアウトプットすることから始めた。大したことでなくていい。
「今日めっちゃ寒い」とか「バス遅い」または何となく冷蔵庫を開け、「日本食作っていい?」などと言ってみた。拙い言葉をかけ続けた友達は今、昼食の友である。彼は毎日行きつけのポテト屋に行くが、それに付き合った結果、自分の口内はフランスパンとポテトによる生傷が絶えない。何でも言ってみるのは重要だなと感じた。動かざるを得ないから。

いつもの昼食であり、9割ほどケガの原因を占めている。友達は何故か絶対写真に写ってくれない。

八重山そばという、うどんでもラーメンでもないよく分からない食べ物を見ていざ食べてもらったら、ウケた。「あ、美味しい。」と言い、完食するかと思いきや満腹になり残してしまうことに。美味しいと言ってくれたことは嬉しくも、食べ物を残すことが勿体ないと感じ、この感覚が日本人独特の精神と気づいた。

思いつきで八重山そばを作った。自分が一番食べたが、家族も美味しいと言ってくれた。

また、現地に空手道場があったのは幸せだと思う。ここの道場に、追い込むような厳しさはあまりなく、先輩が1から手取り足取り教えなきゃいけない。そしてみんな練習というより、遊ぶように楽しんでいる。
ホストファミリーも空手をやっているため、家の話題で空手は尽きない。共有するものがあるだけで距離は凄く縮まる。共有するからこそ見つけられる違いもある。
ストイックさや義務感のない空手は初めてだった。けど、そこには確かにみんな情熱があって、気づけば自分の好きな居場所ができている。

ベルギーには12月上旬にサンタが来る。しかし、道場ではクリスマスの歌以上に「押忍」が鳴り響く。

異文化理解というと何だか大きなことで且つ自分が持つバックボーンを大きくアピールしなければならないというイメージがあった。けど、もっと小さい範囲で、何か思うままに話しながらでも始められる、ありふれたものじゃないかと今は思う。
時間はあまり長くはないが、感じるままにこの時間を大切に過ごしたい。
石垣という南の小島の高校生がこんな体験を出来るなど、自分でも思わなかった。

ボランティア奨学金関係者の皆様、ありがとうございます。

雪のない沖縄から来たので、1人雪で騒いでたらクラスメートが撮ってくれた。

ベルギー(フランス語圏)派遣
AFS65期/ボランティア奨学生 小川 秀雄

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